カテゴリ:メモ
きれいな夕焼けを見た日、ミニラはそれを報告してくれる。
たかが空である。滅多に無い天体ショーとか、秘境の絶景とか、そこまではいかない風景なのだが、日常生活では「報告レベル」らしい。 なぜ美しいか。というよりたぶん、「人間の脳はなぜそれを美しいと知覚するか」みたいな視点のほうが、正確ではないか。 人間の近くに住んでいる犬や猫や小鳥は、空を見て「美しい」と思うだろうか。夕焼けに見とれている猫なんて聞いたことない。 空が美しいという知覚は、美しいものを見ていたいという考えにつながる。汚れの浮いた川やゴミの散乱する山を見ると、これではいけないという気持ちになる。野生動物が減少していると聞くと、滅びてしまうことを惜しむ。 まあいろいろシミュレートしてみるんだけど、人間の持つ、ほかの生き物に比べて突出して高い共感力が、無機的なものにも何らかの意味づけを与えようとしているのではないか。 二足歩行がもたらした骨盤の変形に由来する、自力での安全な分娩の困難さや、大脳の肥大に伴う頭部の巨大化とともに進んだ胎児が未熟な状態での出産と、それに伴う長期間にわたる「子育て」。その難題をクリアするために拡充していった共感力が、人類を生きながらえさせてきたわけで。 これで成功した、という結果が、もしかしたら、ランナウェイ効果で行き過ぎた共感を生んでいるのかもしれないけど。 人類が22世紀を無事に迎えることができたなら、きっと「共感の世紀」がやって来る。地球の反対側のひとのこと、そこに住む生き物のことを、我がことのように思い遣り、気持ちをこめることのできるひとがもっと増える。そんなひとびとが繁栄する。 そう信じて進む。 この空は、すべてのひとの上にある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 7, 2015 11:20:22 PM
コメント(0) | コメントを書く
[メモ] カテゴリの最新記事
|
|