テーマ:障害児と生きる日常(4429)
カテゴリ:明るい自閉圏研究室
チビと、「来年通う学校について、話をしようね」と打ち合わせていた。 ……はずだった。 今日はイヤ、という主張を呑んで、「じゃあ今週の土曜日ね」と。午前中は遊びに連れ出し、本人の要求を聞いてやり、帰宅後は「じゃあ簡単にね」とパンフレットを出した、とたん。 「ややこしいー!」 怒りやイライラもこめられてはいるが、むしろ「こうするといいんだ」ふうの口調で、パンフを引き裂いた。思うに、「こうすれば、ややこしいことから逃れられる」という確信を含んでいる。 ある程度予想はしていた。破かれたパンフをひったくり、おれが破く。 「じゃあ、もうこの学校へは行かないね」 どんどん破く。チビが「いく!」と騒ぎ始めるのを無視して、ひたすら破く。当日の資料を取り出して見せる。破く。奪い取ろうとするチビの手に資料を差し出し、「はい、そっちから引っ張ってー」と促す。 泣きわめき始めたチビに、「高校生でしょ、そんな叫ばないで」と注意し、ひたすら破く。 「そうだ、いいものがあるよ」 以前貰ったパンフがもう1冊あった。 「さあ、これも」 破く。チビの叫び声は号泣になっている。 「声が大きいよ。あかちゃんみたいに叫ばないで」 さらに破く。もみくちゃにする。 「もう行かないからね、学校へはかーちゃんから連絡するから」 「いく!」 「ややこしいから、行きません。勉強しません」 「べんきょう、する!」 「ややこしいから、しませーん」 叫び続け泣き続けるチビの前に、紙くずの山が築かれる。 「これ、学校の先生に見せようか。喜ぶかな?」 「よろこばない」 「そうだね、がっがりするね。がっかりさせてやろう。ややこしいからこうしましたー」 チビが号泣する。破く。さらに細かく破く。 とにかく。 「ややこしい、とパンフ1枚破いた結果、すさまじく嫌な思いをした」 という展開を、刷り込む。 今日はこの程度にしとくが、明日もやる。 しかしポイントはそっちじゃなく、「勉強したらいいことがあった」の経験を刷り込むほうなんだよな。 難しいな。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
July 23, 2018 07:56:55 PM
コメント(0) | コメントを書く
[明るい自閉圏研究室] カテゴリの最新記事
|
|