ある蕎麦屋の庭物語

終日くもり。風は湿度を含めどひんやり吹いている。気温は２７℃まで上がる。
夕方野菜の収穫。
万願寺とうがらしが沢山取れた。ゴーヤは細いが初取り。
あとプチトマト・アイコはぷっくり色づいたものを収穫。
日照時間が少ないせいか赤い色が付かないので、常温に置いて追熟を待つ。
一日置けばもっと赤くなるはず。取り遅れて尻割れになるのは避けたい。
小玉スイカの取り頃がわからない。
前に近所の人から頂いたスイカは、ちゃんとへたの部分に受粉日が書かれたテープが貼ってあった。
なるほど、とその時思ったのにいざ自分が植えてみると忘れる。
道の駅ではもう立派な大玉スイカが売られていた。
「どやっ。我がスイカぞ」というような顔をしていたので、さぞ愛情たっぷり手間をかけられて育ったのだろう。
とてもおいしそうだった。
そろそろ畑の草取りに本気を出さなければ。あと追肥と。
育てたように育つ。こわい言葉だ。

やっとお中元を選び終えて注文した。
毎年選ぶのが苦痛だ。相手は親戚なので最初のころ思い切って何がいいか聞いた。
だから選択肢は大分狭まっているはずなのに、そこから先が決まらない。
どこのカタログを見ても似たようなラインナップ。
写真では素晴らしくどれも美味しそうに見えるので、一旦無にする。
値段と容量のバランス、冷凍の場合の冷凍庫占拠率、個数に対して家族の人数。
何よりおいしいのか否か。
口コミまで見てしまうともう決まらない。
マトリョーシカ如く箱ばかり、開けたら小さくてがっかり。
お中元あるあるか。
今年もおいしかった！という声が聞こえるといいな。


雨上がり。匂い立つ土。湿度のベールが皮膚に纏わりつく。
ひっそりと咲く花、レインリリー。実物はもう少し色が濃い。
佇む様子はとても色気がある。
白花のレインリリー・タマスダレは元気っ子のようなイメージだが、これは別物だ。