粒子線治療最前線
昨晩、兵庫県立粒子線医療センターの菱川良夫院長の話を聞くことができた。数年前から治療が始まり評価の高い粒子線治療の最前線の話は、予想通り大変興味深い内容だった。兵庫県立粒子線医療センターは、兵庫県揖保郡、JR相生駅から車で20分ほどの緑豊かな播磨科学公園都市にある。昭和62年度から始まった「ひょうご対がん戦略」のリーディング・プロジェクトとして企画、立案、整備された同センターは、陽子線と炭素線の双方を使用した粒子線治療を行う世界で初めての施設として設立された。非侵襲的な治療でのがん治癒率向上と患者のQOL向上を目的に、着実に成果を上げている。粒子線照射は高い治療効果を期待でき,副作用も少ない治療法だが、他の治療法と同様に再発する可能性もあり、全てのがんが粒子線治療に適応されるわけではない。高度先進医療が適用され,粒子線治療費(一律288万3千円)が掛かるのが難点。だだし、高度先進医療保障月の医療保険やガン保険に加入していれば問題は解決する。治療できる腫瘍は、頭頸部腫瘍、頭蓋底腫瘍、肝がん、前立腺がん、直腸がん術後局所再発転移性腫瘍、骨軟部腫瘍だが、乳がんも数年後には可能とのことだ。がん治療法には大きく分けて外科的切除・化学療法・放射線治療の3つがあり、粒子線治療は放射線治療に含まれる。病気の性質や進行期によって3つの内から1つ、もしくは組み合わせでもっとも適した治療法を選択することになる。今後がんの死亡率は増加し、2人に1人の割合と予測されている。いずれにせよ、早期発見が大切で、発見したら最初の治療法を何にするかが重要だと先生は言われた。定期健診と万が一のためのファイナンス(保険・貯蓄・借入できる体制)を怠りなく。