カテゴリ:青春時代「アメリカンシネマ」
Jリーグが始まる前は、僕はアメリカンフットボールが大好きでした。
高校のとき、10チャンネルでマイアミ・ドルフィンズの試合を放送していて、夢中で見ていました。 O.Jシンプソン(前妻殺人事件、灰色無罪の)が活躍していたのもあの頃です。 ’72年のドルフィンズのスーパーボウル優勝から、毎年スーパーボウルは録画していたのですが、そのコレクションも去年、うつ病の発作で、映画のコレクションと共に全部捨ててしまいました。 たぶん、持っていても見直すことは無かったと思いますが、コレクションと言うのは手にしていることに価値があるので、今となっては残念です。 その分部屋が広くなって活用しているので、良しとしてはいますが。 さて「天国から来たチャンピオン」のクライマックスはスーパーボウルです。 この作品は、’41年の「幽霊紐育を歩く」というひどい邦題のリメイクです。 オリジナルの主人公はボクサーだったのですが、リメイク版ではアメリカンフットボールのクォーターバックに変わっています。 たぶん、主演・製作・監督のウォーレン・ビーティがQBをやりたかったんだと思います。 邦題が“チャンピオン”となっているのは、オリジナルのボクサーの名残でしょうか。 ということで、本作品はウォーレン・ビーティのものです。 ウォーレン・ビーティといえば「俺たちに明日はない!(第2回)」です。 アメリカン・ニュー・シネマという名前が誕生した、記念すべき作品の主演者です。 あれから10年。 あのショッキングな、先端を切り開くような斬新な作品から、一転このようなハートフルな名作を作るようになりました。 このコラムは、僕が青春時代に見たアメリカ映画の中で、大好きな100本を選んでいるのですが、本当は“重い映画”は好みではありません。 いい映画と好きな映画は違うものです。 で、この「天国から来たチャンピオン」は大好きです。 死ぬ前に一本見せてやる、と言われたらリクエストするかもしれません。 話はスーパーボウルを目前に控えたQBのジョーが交通事故にあってしまい、天国へ向かう途中、それが見習い天使の間違いと言うことが判明します。 急いで下界へ戻ると、体はすでに火葬されてしまっていた、ということから代わりの肉体探しが始まると言うコメデイです。 コメデイの場合、筋を説明しても面白さはなかなか伝わりません。 プロットのしっかりした、心が温まる作品といっておきましょう。 さて、ここで問題にしたいのは、題名にもある“天国”についてです。 原題は「HEAVEN CAN WAIT」 天国は待ってくれる、でいいのでしょうか。 キリスト教徒は、死ぬと天使に連れられて天国へ行きます。 TVアニメの“フランダースの犬”のネロも、天使に囲まれて天に昇っていきました(涙) 本作品のジョーも見習い天使に連れられて、雲の上で何か乗り物を待っていました。 その待合所には他の人たちもいたのですが、おしなべて暗かった。 少なくとも楽しそうではない。 ということは、彼らは“天国”を楽しいところだと思っていないのでは? 考えてみれば、聖書の中にも天国についての記述はないような気がします。 日本人は天国について“帰ってきた酔っ払い”のように、♪酒はうまいし姉ちゃんはきれいだ~と思っていますが、これは間違いです。 キリスト教における天国(=神の国)はまったくの未知数。 それも、そこにいけるのは、最初から選ばれた者のみ。 生前、良いことをしたとか、信仰に励んだとか一切関係なし。 そもそもキリスト教では、人は皆“罪びと”。 その罪を償いに天国へ行くのなら、そこは“刑務所”じゃん。 そりゃ、死ぬのはやだよね。 先ほどの♪酒はうまいし~はむしろイスラム教。 現世では酒は禁止なのに、天国では飲み放題。 姉ちゃんも飛び切りの別嬪。 その他娯楽設備完備。 歌のように神様に怒られる事もない。 天国へ行くには、イスラムの戒律を守ってさえいればいい。 聖戦(ジハード)で命を落とすのは尚いい。 どうせ死ぬんだから、死ぬ時はイスラムに改宗してから死のうかしら。 昨今、自爆テロとかはやってますが、彼らの死後はこんなに楽しいことが待っているから、喜んで死にますよね。 出来ればジハードのお墨付き付きで。 “輪廻転生”思想のベトナムに負け、今度はイスラムにもやられて、アメリカはまず敵を研究した方がいいんでないの? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年01月08日 22時47分08秒
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