カテゴリ:青春時代「アメリカンシネマ」
グレン・ミラーの伝記映画です。
高校から予備校時代、僕は友人のJUN君とよくジャズ喫茶へ行くことがありました。 と言っても、ジャズが好きだったわけではありません。 ジャズが好きだったのはJUN君の方で、そのJUN君と「文芸座」へ行く時の待ち合わせ場所だったのです。 コルトレーン、チックコーリア、マイルスデイビス… 名前は覚えましたが、そのよさのほうはもう一つ理解が出来ませんでした。 フォークギター抱えて「あなたは~もう~わすれたかしら~」って方でしたから。 そのジャズ音痴の僕でもグレン・ミラーの曲は聴き覚えがありました。 もちろんジャズ喫茶でかかることはありません。 果たしてこれがジャズなのかどうかも、今の音楽センスでは不明です。 スイングジャズってジャンルになるらしいので、やっぱりジャズなのかなあ。 まあ、万人受けする、スタンダードなメロデイですね。 当時としては、斬新な革命的な音楽だったのかもしれませんが。 「グレン・ミラー物語」はその数ある名曲の誕生秘話風エピソードが連なり、音楽とストーリーの絡みが素晴らしく、音楽と映画を同時に楽しめる仕組みになっています。 でも、この映画が、僕の心を離さないのは、グレン・ミラーと愛妻の物語だからです。 “夫婦”と言うのはいいものらしいと、独身の僕たちは夢を見ました。 数ある名曲の中に、「真珠の首飾り」「ペンシルバニア6-5000」そして「ムーンナイト・セレナーデ」、二人の愛の物語がこめられています。 こういう夫婦、こういう人生に憧れていました。 僕よりもJUN君のほうがそう思っていたかもしれません。 JUN君は恋愛に関しては“純愛”派で、とてもピュアーな愛し方をする人でした。 アフロヘアーで缶ピースを吸ってジャズにスイングする彼にしては、ちょっと異質な恋愛観でした。 あの年代の友達は、ピュアーでない恋愛をする奴も多く、本当の男と女の姿を見失いがちな時期でした。 いや、あの頃だけでなく、ずーと見失っています。 この歳になってもまだわからない。 歳を重ねるに連れ、新たな謎に遭遇するような。 そして、“結婚生活”というものは、あの頃の夢をずたずたに切り裂いて踏みにじってしまいます。 今年は夫婦の愚痴はこぼさないようにしようと、年頭に誓いを立てたのですが、あっという間に破戒してしまったので、来年からにします。 とにかく、あの頃は憧れていて、自分も結婚したらそうなるんだと思ってました。 ソウイウヒトニワタシハナリタイ そう思うんなら、今からでも、心入れ替えて、愛情豊かな夫婦になる努力をしてみては?って思うでしょ? 何度も試みてはいるんですよ、僕なりに。 だけど、去年心を病んで、はっきりわかりました。 無理なものを望んではいけない。 自分を変えればなんとかなるなんて、考えてはいけない。 自分は自分。 自分は自分のままでいいんです。 無理なものは無視しましょう。 映画の中に、自分の憧れがあるのなら、憧れている自分がそこにいることで満足しましょう。 映画を鏡にして、自分を探すのです。 そこには、僕の愛すべき、僕の姿があります。 あの時の、そして今の… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年01月20日 21時28分54秒
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