カテゴリ:青春時代「アメリカンシネマ」
’08年生まれのジェームズ・スチュアートは「スミス都へ行く(第94回)」の時は31歳、「グレン・ミラー物語(第95回)」は46歳。
そして「飛べ!フェニックス」を撮った時が57歳という、長きに渡ってトップスターを守ってきました。 この他にも、「素晴らしき哉人生」や、ヒッチコックの「ロープ」「知りすぎていた男」「めまい」、リンドバーグを演じた「翼よあれがパリの灯だ」その他数多くの作品に主演しています。 素晴らしい作品群ですが、芝居のうまさと言う見方をすればどうかな、と思ってましたが、これだけ並ぶとやはりすごいです。 演劇学校同期のヘンリー・フォンダの方が、役者としては上かなと思ってましたが、これだけ実績を残せば、考えを改める必要があるかもしれません。 “アメリカの最も優れた伝説男優”では、ハンフリー・ボガード、ケリー・グラントについで堂々の3位です。 かなりアメリカ人に好かれている役者です。 さて、その数多い作品の中でも、僕がNO1にお勧めなのが「飛べ!フェニックス」 ジェームズ・スチュアート作品のNO1と言うより、アメリカ映画の僕好みNO1にしてもいいかもしれない。 何が好みかともうしあげれば、まず人間模様。 限られた空間に登場する人物が個性豊かで、しかも一辺倒でなく、状況に応じて変化を見せてくれる。 そして、プロットの巧みさ。 難問が次々と主人公に襲い掛かります。 ばらばらだった登場人物の心が、ついに一つになり、クライマックスに突入します。 ある意味、あの名作「ポセイドン・アドベンチャー(第8回)」の原形になってるかもしれません。 物語は、双発の輸送機が、砂嵐に巻き込まれ砂漠に不時着します。 同時に、機体は損傷し飛行不可能に。 生存者12人に残された水は10日分しかありません。 この極限状態で、人間の葛藤が起こります。 ジェームズ・スチュアートはこの飛行機のパイロット、というより操縦手。 今まで彼が演じていたスマートな人物ではなく、がさつでガンコな職人肌の操縦手です。 他の人物も皆、クセモノで、この面々がまとまって困難の解決に努力するとは思えません。 この状況作り、うまいですね。 そして時間経過と共に、ジェームズ・スチュアートの心が右に左に揺れ動きます。 その間、死んでゆく仲間もあり、徐々に追い詰められていく。 この運びも見事。 ついに始めは反対されていた期待を修繕して再飛行に挑戦するため、一同協力することに。 模型飛行機の設計者の指図に従って。 シナリオとしては、贅肉の無い、きりりと筋肉質なつくりです。 このシェイプアップされた進行の先に大団円が待っています。 そして叫ぶのです「飛べ!フェニックス」と。 僕の高校の親友であるJUN君もこの映画が好きで、文化祭の準備が暗礁に乗り上げそうになった時、 「飛べ!フェニックス!!!」 と呪文のように叫んでいました。 懐かしいな、文化祭。 話し逸れましたが、あの気持ちを語るには、欠かせないエナジーを持っていました。 熱い気持ちにさせる映画です。 ソウイウサクヒンヲワタシハカキタイ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年01月22日 21時30分35秒
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