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カテゴリ:メンタルクリニックの定期診察
今日は、月に一回のメンタルクリニックの受診日。
朝から、所長が急に休みになるとか、患者さんの状態が悪化して訪問時間を変更するとか、バタバタして一日が終わった。 午前の2件の訪問で、もうぐったりしてしまい、午後の2件の方も普段は所長しか担当していないのでどんな感じになるのか不安で仕方がなかった。 認知症でなじみのない看護師に対しては、ケアの拒否があるらしいと聞いていた方は息子さんが同席してくれたこともあって、穏やかで丁寧な物腰で無事に入浴介助を終えることができた。少し時間があったので、足の爪を切りファイルを掛けると、それだけで感激してくださって訪問終了の挨拶をすると「ありがとうね」と抱擁してくださった。92歳のご婦人なので、母親のような感じがする方なのだけれども、でも抱擁されたのは初めての経験。 2件目の方も、お一人暮らしで具合が悪くなったので、それまで行き来することが少なかった母親がそばで見守っていらっしゃって、「訪問看護はもういいから」とお断りをされそうになっていたのだけれども、痛みのために入浴ができなくなっていて足にむくみもあるので皮膚が硬くなって亀裂が起こりそうな様子。そのことをご本人に伝えると、黒く汚くなったのは軟膏のせいだと言い張る。 今日は騙されたかもしれないと思っていいので石鹸で足を洗わせてくださいと、伝えると「マァいいけど」と足を出してくださる。 今は使っていない尿取りパッドを何枚も敷いて、お湯を足にかけてから石鹸を泡立てて洗って行くと黒かった皮膚が少しずつばら色に。それをじっと見ていた本人は、「看護師さんてこんなこともしてくれるんだ。俺、感激しているんだよ」って。膝を上げるだけで痛む足なのに、ケア中は痛みをこらえながらじっとしていてくださった。 特別なケアではないけれど、看護ケアを喜んでいただけるのは正直嬉しいし、新人看護師時代の記憶が呼び戻ったよう。 こんな日だったのだけど、午後の2件の訪問で元気が戻ってきて、メンタルクリニックの定期診察をドタキャンしなくて済んだ。 先生に「この一カ月どうだった?」と聞かれたので、「きつかったけど、なんだか粘れるようになりました」って答えると、「そう良かったね、老健に勤めているんだっけ」とおとぼけ。 「訪問看護ステーションですよ」っていうと、「訪問看護なら大変だね。救急車を呼んだりするの?」 私「ターミナルの方には、状態の変化をその都度伝えるようにして、急変しても救急車を呼ばず往診医か訪問看護に連絡をするようにしています。ヘルパーさんはビックリして救急車を呼ぶことがあるので、訪問介護の事業所にもきっちり伝えるようにしているんですよ」とこたえると、「それは大変だね。家族もなくなる時は承知しているの?」って効くので、 私「主治医から病状変化について丁寧に説明するように話をしているのですけど、予期しない状態変化については受け入れることが難しくやっぱり救急車を呼ばれますよね」 先生「肉親についてはやっぱり生きていてほしいと思うからそれは自然だよね」って。 ひとしきり末期医療の話をして、最後に先生が処方箋を書き始めたので、ちょっと自慢話。 「先生、私今年はグリーンカーテンを育てているんですよ。朝顔が咲いてたので感激してしまいました」 先生「自分が育てた花は本当にかわいいよね。自慢したくなるけど、他人はあまり共感してくれないけどね」ですって。「そういうことができるようになったのは、元気になってきた証拠だね。来月までまた元気でいてね」で本日の診察は終了。 この時期の夕方は、気温もそう高くなく自転車で街を走っていると夕焼け空も見えて本当にすがすがしい。 バタバタした一日だったけど、すっきりとして一日を終えられそう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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