何を今さらという感じである。政府は2001年3月の月例報告てデフレを認定してから、今までデフレ脱却宣言をしたことがない。2006年7月の月例経済報告から「デフレ」の表現が消えていたが、その間、価格変動の大きいエネルギー及び生鮮食料品を除く消費者物価指数の推移を見る限りずーっとデフレ状態である。
景気が2番底へと向かう可能性が高くなり、もしもの時の為の布石を打ったと言う感じである。景気腰折れをデフレのせいにしておいて、『民主党政権の経済政策で景気が腰折れした』との批判をかわす備えとみる。
デフレが景気悪化の犯人なら、『早すぎる日銀の金融緩和政策中止でデフレが深刻化し、景気が2番底へ転げ堕ちた。』と主張し、日銀へ責任転嫁できる可能性がある。
自分自身、本格的なデフレ懸念を意識し始めたのは今年3月。多くの人がデフレ傾向に注意を払って始めたのも、この頃からである。民主党もずーっと意識していたははずである。然るに、今まで何のコメントも出さず、に居たのが、今回の突然のデフレ宣言。ちょっと裏を疑いたくなる。
現在のデフレは、需要が大幅に縮小し、需給ギャップ(供給過剰)が発生してるためと考えられる。
需要減少は外需が原因。リーマンショック後に起きた金融危機で欧米先進国市場の高額商品需要が消失した為である。金融政策で需給ギャップを解消することはできない。出来るのは、対処療法だけで、物価下落を緩慢化するところまで。もし、金融政策だけで需給ギャップが原因のデフレを克服しようとすればバブルが発生してしまう。今以上の金融緩和政策は、経済成長のバランスを危うくすると考えている。
デフレ脱却をするには、適切な『経済政策』を政府が実施することが重要で、『金融政策』が負う責任は小さいと考えている。デフレの原因である需給ギャップの解消時期は、政府の『経済政策』の善し悪しによるところが大きいと考えている。
現政権はかなりの経済音痴。経済運営の失敗は避けられない。今後、何が現政権がとんでもない失敗をしでかし日本経済に止めを刺す可能性すらある。個人的には、そんなことがないことを願うが一寸先は闇である。