むーじっく

by The Chemical Brothers



斬新なテクノサウンドが心地良く、格好良く仕上がっている作品です。
アグレッシブな先駆的サウンドにも関わらず、解り易く浸りやすい音楽であるようにも思えます。

｢t Began In Afrika｣は小刻みで軽快なパーカッションが良いです。
リフレインする声がそのままサウンドの一つとして組み込まれ、楽曲を織り成していく辺りも良い感じです。
｢Star Guitar｣は頭上を通過していく飛行機のように浮遊していくサウンドが心地良いです。
パーカッションも含め、遠くからやってくるように入っては消えていく、その組み込み方が良いのでしょうね。
｢My Elastic Eye｣は軽快な高音と歪んだ低音が、良いバランスで鳴っているように思います。
途中雰囲気をガラっと変えては、また淡々と元の旋律に戻していき、メリハリのある構成になっています。
｢The State We're In ｣は一転とし、しっとりとした雰囲気での唄が良い感じです。
消え入るようにほんのりと鳴っているサウンドが、柔らかい唄を支えている気がします。
｢Denmark｣はポップで軽快なビートが心地良いです。
音質を変化させながら、グッとうねるように入ってくるリフが、その軽快なビートの上で気持ち良く踊ってくれます。
｢The Test ｣は絡みついてくるように入ってくる唄が好きです。
その絡みつき方も嫌な感じではなく、練り込まれたサウンドと良く噛み合っていて、オシャレに仕上がっているように思います。

色々な音が組み込まれていますが、五月蝿い感じではなく、むしろ洗練されている印象を受けます。
心地良く鳴りつづけるビートは、何となく浸っているには丁度良い按配です。
ＢＧＭに最適な一枚かもしれません。