負け犬の遠吠え:「破滅願望」と「良心」?
私は中学生の頃、「将来、何になりたい?」と聞かれると
『ひも』と答えていた。
女を働かせて自分はノンビリ生活するなんて夢を描いていたのだが・・・。
「容姿」「体型」共に
『ひも』の及第点には遥かに及ばず、加えて「根性」「気力」「体力」が揃って全く無い。
泣く泣く
『ひも』の生活を諦めた訳である。
考える以前の問題のようだが・・・。
『では、将来、一体何をしたいのか。』
自問していた時期がある。
その時、頭に涌いていたのは・・・
「西成の街で焼酎の瓶を抱きながら野垂れ死にする。」
「シカゴの街でバーボンのボトルを抱きながら野垂れ死にする。」
「上海の街で白酒の壜を抱きながら野垂れ死にする。」
・・・
どうせ涌くなら、
『蛆虫』の方が未だマシである。
それで、仕方なく
『コームイン』なんてもんを選んでしまった。
一生の不覚である。
仕事を始めて
3日で嫌になった。
それが20年も続いている。
いい加減に
足を洗っても良い頃だと思うのだが・・・。
『うつ』を切っ掛けにして、
『もう、やーめた!!!』と清々する予定だったのである。
それが・・・。
世の中には、
『お節介』が多いようだ。
私の『ブログ』に、
「辞めるな!」なんて真剣に書き込んでくれたりする。
職場の長のように
「下らないプライドで、辞めるなんて馬鹿なことを言うな!」と叱ってくれたりする。
全くお節介な・・・。
でも、目頭が熱くなるのは、私も年を取ったということか・・・。
私は勝手なことを言ったり書いたりしながら、いい加減に生きている。
そのために暴言や迷言には、こと欠かない。
でも、本当に怖いのは、
「何も言わず、自分を見据えながら生きている人なのだ」と少し考えてしまう。
何事に対しても怒らず淡々と『柳に風』で過ごしていく。
両親が正にそう云うタイプだった。
多くの日本人も、そう云うタイプなのだろう。
バブル終焉から暫く経った頃、「日経平均株価が2万円を切ったら日本経済は未曾有の混乱に陥る。特に中小企業は軒並み倒産する。」なんて実しやかに噂されていた。
1万3千円になったこともあるのに、日本経済は未だに健全である。
私は、何十億円もの金を右から左と動かすような
為替ディーラーや
起業家に憧れる。
それでいて、
十個一円にもならないような
ビスや
ナットを一所懸命に
切っている町工場のオッチャンが堪らなく好きだ。
正式名称は忘れてしまったが
「東大阪宇宙開発組合」なんて処がある。
中小企業の
『英知』と
『技術の粋』を結集して、
人工衛星『まいど1号』を打ち上げようとしているらしい。
東大阪宇宙開発
『組合』である。
信じられないくらい
馬鹿な集まりだと思う。
でも、NASAなど世界中の研究機関が挙って『宇宙ステーション』を構築するより、
彼らが人工衛星『まいど1号』を打ち上げることに
堪らなく夢を感じてしまう。
「オッチャン。頑張れ!」と応援したくなる。
何のための人工衛星なのかは知らないが・・・。
実際のH2ロケットでも、最終的なチェックでは
「コンピュータは当てにならない」という。
コンピュータ制御の検査機器では見つけられない凸凹が、宇宙空間に打ち上げる際の『高温』『高圧』な環境では、致命的な欠陥になるらしい。
それは、
人間が触って感知するそうだ。
また、ある測量メーカーでは、精密機器の基になる
『メートル原器』を、
『匠』という
役職のオッチャンが、自分の感性で削り、日々精度を上げているという報道を見たことがある。
『東京都の面積』に対して『一円玉の厚さ』の精度という。
私は何かあると
『日本人は民度が低い』と馬鹿にしてしまう。
でも、
『何も云わない人々』は、
ホントはトンでもなく凄いのかも知れない。
マスコミュニケーションによる
『華々しく馬鹿馬鹿しい人々』『人道主義団体』『似非いんてりげんちゃん』・・・。
実は、マスコミュニケーションに踊らされていたのは、紛いも無く
『私自身』なのかも知れない。
実は
『何も云わない人々』が
日本国の土台を支え、
『何も云わない人々』の
さり気ない『気配り』に支えられ・・・。
そして、
『何も云わない人々』の『良心』がある限りは、未だ未だ、私は
酒瓶を抱くことは出来ないのかも知れない・・・。