懲りもせず
あの歯医者さんへ定期健診に行った。
何回か書いているのだけど
あたしとは、とっても相性が悪い。
それでも行くのは
ただたんに、あたしがドMだから。
これも
毎回、書いているような。
予約の15分前に着いて
10分前に治療椅子へ座らされた。
右下の奥歯がダメになっていて
抜くか?我慢できるだけ、我慢するか?いや、使えるだけ使うか?
と、奥歯の死の宣告をされている。
二か月くらい前
ちょっと痛いかな?で。
抗生物質と思って、間違って「痛み止め」を、ずっと飲んで。
死ぬほど痛くなってから、ありったけの抗生物質を飲んだ。
とき、すでに遅し、って感じ?
2週間近く、手持ちの抗生物質を底がつくまで飲んで
どうにかこうにか、歯の激痛は治まったのだけど。
そんな長期間、抗生物質を飲んじゃったら
もともと弱い、お腹の方が黙っちゃいない。
飲むのを止めてからの方が、大変な事態。
さらに2週間くらい
お手洗いに直行する場面が激増した。
だから
歯科助手さんに。
痛いときがあるので、抗生物質か「痛み止め」をくださいな、と。
すると
いきなり、いつもの歯科技師さんが現れた。
あたしの、上のお口の中を
ひと通り見渡して。
奥歯の頬(ほお)側に、ずっと前から、おっきな虫歯があるんです。
それが痛むんじゃないかな?
次回、麻酔をかけて治療しましょう。
判ってんなら、とっとと直しなよ、とか
治療可なら、どうして、今まで放っといた?とか。
言いたい言葉は、山ほどあったけど
院長さんの時みたいに、ことさら痛くされるのイヤだから
にこっと微笑んで、眼の奥だけで思いを届ける、に留(とど)めた。
それで
先生は居なくなったのですが…。
今日、まだ、ちょっと時間はありますか?
歯の点検が、ひと回り終わったとき
歯科助手さんが話しかけてくる。
歯と歯茎の間に、歯垢が溜まっています。
超音波装置じゃ取れないので、時間を延長して、コレを使っていいですか?
見せられた写真が
クック船長の「カギの手」と言いますか、カギ状の腕先?
あれを、ちっちゃくしたヤツを
歯と歯茎の間に刺し込んで、ゴシゴシ削ぎ落す、とか。
あたし
あなたの気に入らないこと、何かした?
痛かったら、右手を上げてくださいね、って、さ。
麻酔もかけずに、そんなことすりゃ
ダレが、どう考えたって
痛くないワケないでしょう?
ほんと
身動きできないほど、陶酔(とうすい)の20分でした。
拷問…失礼、歯の定期健診が終わって
お会計を待つあいだ
はっと気が付いたら、一点を凝視していた。
得も言われぬ快感、いや、激痛から解放されたとき
ヒトって、アタマの中、空っぽになるんだね。
初めて経験したわ、あんなの。
歯医者さんは、怒らせると怖い。
けれど
歯科助手さんは、怒らせても怒らせなくても、もっと、もっと怖い。
表のベンチで
タバコを吸って呆けていると。
あたしを最後に、勤務が終わったのか?
颯爽とした彼女らしき後姿が、水色の車に飲み込まれていった。
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最終更新日
2015年08月24日 23時24分25秒
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