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カテゴリ:日本酒
おはようございます。独酌です。
新学期も始まり「ほっ!」とされてる方も多いでしょう。 ムスコは時間ギリギリまで宿題をやっていて、ヨメが作った朝食も喰わずに飛び出して行きました。 「あ~ぁ! 今日から昼ゴハン作んなくていいんだぁー!」 ムスコが食べなかった朝食を自分で食べながら、ヨメはメチャクチャ嬉しそうです。 「言わぬが花」ではなく「口は災いの元」とならないように口には出しませんが、そんなに一生懸命に作ってるようにも見えな・・・ まあ、それとなく訊ねたら作る手間は厭わないが「何を作る?」かを考えるのが苦痛なんだとか。 「そんなモンかねぇ?」 「アンタは酒の肴しか作んないから楽しいの!」 「ツマミ以外だって作るじゃないか」 「たまぁ~にでしょ! 毎日毎日ゴハン作ってみなさいよ、1ヶ月で嫌になるから」 やはり口にしなければ良かった。 散々「どんだけ大変」かをグダグダ聞かされた上に「感謝が足り~ん!」と文句を言われ 挙句の果てには「感謝の印に首と肩と越を揉め!」・・・(怒ぅ)・・・ しかし独酌も、「Noと言えない日本人」・・・ 結局10分ほど揉まされました。 先週末は北関東・新潟・福島と仕事で廻って来ました。 仕事で行ってるので、何も楽しい事は無いのですがヒトツだけ嬉しい誤算がありました。 土曜日の宿は二本松市のビジネスホテルだったのですが、素泊り(食事なし)でした。 ド辺鄙な所は危険ですが、それなりの繁華街がありそうな場所なら外で自分の好きなものを食べる方が楽しいので、 会社の総務には「出張先の宿は、なるべく素泊りにして」と常々言ってます。 山の中で刺身を出されたり、冷めてフニャっとなった天麩羅をだされたりするよりは余程マシですもの。 ホテルのフロントで教えて貰った寿司屋へテクテク歩きます。所要時間7~8分。 店の構えを見て(回らない回転寿司みたいな・・・)失礼ながら大した期待もしないで暖簾を潜りました。 とりあえずビールを頼み、ネタケースに目をやるとケッコウ良さげ。 ご主人に訊くと、福島の漁港がある太平洋側と新潟、富山などの日本海側の両方から魚が入って来るのだとか。 納得。 ノドグロとシビ(メバチマグロだと思う)とスルメイカを刺身で頂きました。 イカは塩とスダチが添えられていたりと一手間掛けてるので他の料理も頼んでみたら、どれもケッコウなお味。 当然、美味しい肴がありますのでビールから日本酒に素早く移行します。 お酒のリストを見ると、【大七】がずらり。 おう、考えたら二本松市は【大七酒造】のお膝元ではないか。 蔵元が町を作った訳じゃないから「お膝元」はオカシイかな? 何にしろ【大七】と言えばお燗である。特にこの「きもと」のお燗は世界中の酒の中でも指折りの銘酒。 まあ、独酌の個人的意見だがお店の主人にそう言ったら喜んでくれた。 「嬉しいねぇー!、こういうお客さんが来るのを待ってたんですよ」 何やらお薦めの呑み方があるのだとか。 「試してみます?」 当然、首を激しくブンブン振りました。縦に。 「おい、あれ用意しな!」 店の若い衆に声を掛けますが、言われた方は判らない様子。 「あれだよ、アレ!」と手振りを添えてやっと判ったようです。 暫くして若い衆が「ちろり」を持って現れました。 それを受け取ったご主人は反対の手に徳利を握り、真剣な眼差しを注ぎます。 「お燗たーじゅ」の始まりです。 皆さん「Decantage:デキャンタージュ」はご存知ですね。 若いワインの香りと味を立たせる為にやる事が多いですが、長期保存されて寝惚けてしまったビンテージを揺り起こす為に行われる事もあります。 ロウソクの灯りで澱を確認しながら慎重にデキャンタへ移します。 お高いワインだとこのように仰々しくなる事も。 お家でやる場合にはロウソクより懐中電灯の方が無難。 デキャンタもお好み、もしくは在る物でOKです。 通称「フレンチ・ダック」と呼ばれるオーソドックスなものから 豪華なクリスタルガラスの逸品まで様々ですが、キレイに洗ってあればペットボトルだって使えます。 大量の空気に触れさせてワインを活性化させるのが目的ですから器は何でも良いのです。 プロの手際がなくとも誰でも上手に出来る優れものもあります。 フランスのデキャンタ専門メーカー【エスプリエルヴァン】製の【グランドアロマ】 誰が注いでも器の内側を渦を描くようにワインが流れるように作られています。 お高いワインだけでなく、1本1000円とかのワインでもデキャンタージュをする価値はあります。 味が確実に変わります・・・と、言う事は「空気に触れないので味が変わりません」を売りにしてる箱詰めワインも呑む分だけはデキャンタージュをするべきだという事です。かくもお酒と空気は微妙な関係なのです。 イタリアには「友人が訪ねて来る前日にワインの栓を抜け」という諺があります。 独酌がこれをやると友達が来る前にワインが無くなってしまうので、ウチでは専らデキャンタージュになる訳です。 澱が沈んでいるような良い(古い)ワインばかり呑むわけじゃないのでロウソクも懐中電灯もいらない事が多いです。 デキャンタージュ = 赤ワインのイメージがありますが、白やロゼも味や香りが立ちますのでやって損は無い・・・と言うより、絶対にやった方が得です。白ワインどころか「えっ?」と思うものも。 ラベルが見えるかなぁ? シャンパンの逸品「ヴーヴ・クリコ」をディキャンタージュしてるところです。 シャンパンは「泡があってナンボ」みたいに思ってる人が多いので、これを見ると大抵の人が驚きますね。 シャンパンだって空気に触れる事で更に香りが立ちます。 もっとも、ちょっとやそっとじゃ泡の抜けきらないちゃんとしたシャンパンじゃないと出来ない芸当。 イタリアの次はフランスの諺を。 「良いシャンパンは朝まで歌い続ける」 ちょっと話がズレました。日本酒のお燗の話でしたね。 しかし、そろそろ出掛けなければ。 続きはまた明日。 それでは行ってきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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