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テーマ:食べ物あれこれ(49905)
カテゴリ:食べ物
今晩は。独酌です。
今年も残すところ1日となりましたが、年越しの準備はお済で・・・昨日も同じ事を訊いたような。 こんな事を書いてる位なので独酌は相変わらずな訳です。 明日は家の掃除・片付けをして、年賀状の残りを仕上げ、ムスコを床屋へ強制連行して幾らかでも小奇麗にしてから親の家へ行かねばなりません。食事の後は「2年参り」の予定。その食事の時に使うからと、ハハが「アレ」持ってきてと電話をしてきました。 「『アレ』って何だよ?」 「湯豆腐する時に鍋の真ん中に入ってる奴よ」 「湯豆腐の鍋の真ん中は『豆腐』じゃねぇ?」・・・by ムスコ 「黙っーてろ!」 「鉄の茶碗みたいなの入ってるでしょ」 ![]() 【中子】が欲しいのね。 「中子」というと普通は鋳物の型の中に入れる砂型を指すのだが、湯豆腐の付け汁を入れる器も「中子」と呼ぶ・・・知ってはいるけど、無いなぁ・・・コレ。大体が「中子」と聞いて↑を思い浮かべる人がどれ位いるのだろう? 剣道をやってる人はご存知だと思いますが、刀の柄に入っている部分も「中子」と呼びます。 瓜やメロンの種が入ってる中心のフニャフニャしたところも「中子」。 お米を炊いて芯が残ってしまった場合も「中子」のある米と言います。「アルデンテ=中子」なんだな。 重ねて収納できるタイプの重箱の中に入る方の器も「中子」。 皆さんにとって「中子」はどれになりますか? ![]() ハハはこういうのをイメージしてるらしいが通販で【湯豆腐セット】でも買わない限り付いてこないぞ。こんなの。 ![]() 要は付汁が冷めなければ良いのだから、器は何でもいい。 ![]() 独酌は大振りの焼酎用のカップを使ってます。 ![]() どうせ湯豆腐するならこういうのが理想ではありますが。 以前買った事があるのだが、手入れがケッコウ面倒である。 暖かくなると使わなくなるので棚に放り込んでおいたらカビが生えてしまったので捨てました。 マメにお手入れする自信のない人には薦められませんね。(← オマエが言うな!) ・・・今日は湯豆腐の話をするんじゃなかった。 「中子」のように一つの名詞に色々な意味があるのと反対に同じ物を地域や国によっては別な呼び方をする・・・ ムスコに国語、理科、社会を教えていて「ふっ」と思いついた事を書こうとしていたのでした。 さて、ここで問題です。 日本では「ネズミ」、イギリスでは「キュウリ」、中国では「ニンジン」と呼ぶ生物は何? ヒントは海に住む生物です。 答えは・・・ ![]() 【ナマコ】です。 日本では「海鼠」、英語では「sea cucumber」、中国語では「海参」と書きます。 キュウリと人参は見た目と言えば見た目ですかね。 ![]() イボというか棘が似てると言えば似てるような・・・ ![]() 中国で言う人参はこちらの朝鮮人参のことです。 ナマコは朝鮮人参と同じくらいの薬効があると言われていて、その働きが人参に匹敵するということで海の人参=「海参」という名前が付いたと伝えられているそうです。・・・見てくれじゃなかったのね。 慢性肝炎・性機能低下・便秘の治療薬として利用され、動脈硬化を予防し強壮効果、利尿効果もあるとされます。またコラーゲンやコンドロイチンを豊富に含むことから美容にも効果があるとされていますので女性にも人気があります。更にナマコの体内にあるサポニンの一種【ホロトキシン】には強力な防カビ効果があり、白癬菌を原因とする水虫の治療薬として実用化されているという事です。 湯豆腐やった後に木桶でナマコを煮れば良かったのかなぁ・・・ 日本では何で「鼠」なんでしょう? 確かに黒い奴もいるにはいますが、あまり鼠には見えません。 夜になると隠れていた岩陰などから這い出してくる様から「鼠」の字が当てられたのだと言います。 語源は沢山の説がありますが、独酌の知ってるのは2つです。 ナマコを指で突くと小さく縮んで硬くなりますよね。 このことから硬くてコリコリした物を「凝」と呼びました。 ナメクジ、ナメコなど表面に滑りのあるものを「滑:ナメ」と呼んだので「滑凝:ナメコ」 茸と区別する為に海にいる方は「生凝:ナマコ」と呼んだとの説。 もう一つが、昔、筒状の生物を全般に「蠱:コ」と呼んだので、家の中で飼うものを「カイコ:飼い蠱=蚕」、生で食べるものを「ナマコ:生蠱=海鼠」のように区別して呼ぶようになったという説。 でもこれだと生食するのはナマコ限定になってしまいますねぇ・・・第一【蠱】という字は見たまんま「皿に蟲を盛る」状態を表してる物。 呪術や呪いに使うアイテムの事だったような気が・・・今度この手のことには矢鱈と詳しいホーホー団の会長に訊いておきます。 それはさて置き、茹でてから干したナマコを「煎海鼠:いりこ」と呼ぶし、ナマコの腸を塩辛にした物は「海鼠腸:このわた」、生殖巣を素干しにした物は「海鼠子:このこ」と呼ぶしなぁ・・・強ち間違えではないのかも知れませんね。 ![]() どれをとっても独酌が泣いて喜ぶことに間違いはありません。 特に海鼠腸は江戸時代には「天下の三珍」(越前の雲丹・長崎の唐墨・三河の海鼠腸)と呼ばれて珍重されていましたが、ナマコ自体は古事記に記載されている位ですから、かなり昔から食べられていたようです。ナマコのうち食用とされるのは主に「マナマコ」です。 「マナマコ」ってケッコウ言い難いですよね。連呼したら早口言葉になるな。 本種は北はサハリンから南は奄美大島付近まで広く分布しており、主に体色の違いによって、「アカナマコ」「アオナマコ」「クロナマコ」(やっぱり早口言葉みたい)の名前で呼ばれて市場で取引きされています。 特にアカナマコとアオナマコは市場価値が高く、関東以北では体色が暗緑色で肉質が軟らかめのアオナマコが、 ![]() 東海以西では体色が赤褐色で肉質が堅めのアカナマコが好まれます。 ![]() 九州福岡に至っては「赤じゃなきゃナマコじゃなか!」 なのに、長崎に入ると「青」が最高とされるのが不思議なとこですね。ただどちらにしろ旬は晩秋から冬にかけてで、水温が19度以下になると活動が活発になり積極的に餌を食べ成長します。 お燗と一緒に楽しむと、しみじみ「もうすぐ冬だなぁ~」と季節の到来を感じます。 真冬の最盛期に熱燗と一緒に出されれば「日本人に生まれて良かった!」となるわけです。 ![]() 江戸時代には静岡が最高とされ後に魯山人が能登半島の穴水の物が最高である!と断じた海鼠腸を辛口の純米を人肌に燗つけたのと一緒に振舞われた日には「日本以外の何処へも行かん!」となるわけです。 こうやってムスコに何とか不得意な科目に興味を持たせようとしているのですが、まるで食いつかず「ナマコ踏むとケツから内臓がビュ!と出て気色悪いよねぇ~!」と呆けたことを抜かしながらテレビを・・・ホント国外追放の日が近いな。 諦めずにもう一丁!と話題を振ってみる。 「お前、rabbit と hare の違い判るよな?」 「馬鹿にすんなよ、rabbitはウサギだろ。hare は・・・あれ?」 「hare は何だよ?」 「・・・ウサギだよね?」 ![]() 【rabbit】 ![]() 【hare】 一般に「rabbit」はウサギ全般を指し、「hare」は野うさぎを指します。 「じゃあ、Sea hare は何のことか解るか?」 「Sea hare?」 ある生物は英語で「Sea hare」、中国語では「海兎」と言います。 さてこの生物とは何でしょう? 「ああ、知ってる知ってる『ウミウサギ』ね!」 「・・・ウミウサギ?」 「沖縄とかにいる天然記念物だよね?」 「・・・」 「あれっ? 鳴声が似てる鳥だっけ?」 「・・・」 どうやら「ナキウサギ」と「ウミネコ」が頭の中で合成されて変なキマイラが生まれたらしい・・・ウサギの鳴声ってどんなんだ? あと一月足らずで受験である。(泣) 答えは「アメフラシ」でした。 ホント泣きたいオヤジに愛の手を! ![]() ポチッ!と応援お願いしま~すm(_ _)m お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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