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テーマ:太宰治生誕百年(10)
カテゴリ:この本がお勧め!
本日14時から行われる「ヴィヨンの妻」の朗読会。ご覧のとおりチケット完売状態ですが、自分はなんとか1枚だけ入手できました。 会場は港の見える丘公園の中です。天気も良いし早めに行って散策でもしてみますかね。 ・・・カップルだらけでしたorz ふん、なんだよ。面白くもねえ。もう中に入って開場を待つことにしますわ。 先頭になっちゃいました(笑) 会場内は自由席です。おかげで前列の良い位置に座ることができました。見事に満員となり折り畳みの椅子を利用する人もいたようです。14時。特段の前説もなく、平田さんが舞台上の椅子に腰かけて朗読が始まりました。 この作品は地の文が「女性の語り口」。太宰作品の特徴の一つですよね。 平田さんは決して過剰な読み分けをせず、文中の男性の会話部分のみやや強めの口調にする程度のメリハリで朗読していきます。 しかし、一気に引き込まれました。すごい!(まあプロの方ですから当たり前なんですが) なんだか自分が知るはずのない終戦直後の中野駅前を見ているようです。 そう、この作品の舞台は小金井、吉祥寺、そして中野なんです。 椿屋さん、あるいは椿屋のモデルとなった店はどこなんだろう、と以前いろいろ調べたのですが判りませんでした。 多分、南口だと思うんですけど。それも本通りではなく今のファミリーロードのような気がするんですけどね。 今回の平田さんの朗読を聞いてつくづく思ったことは「昔の女性の語り口調はきれいだな」ということです。主人公が意図的に蓮っ葉にしゃべる部分も出てくるんですがそれでもなお品があります。 もう一つ嬉しかったことが。 作品中には「気ちがいに刃物です。何をするかわかりません」「わが子ながら、ほとんど阿呆の感じ」「人非人でもいいじゃないの」と言った表現が出てくるのですがそのまま読んでもらえました。 途中、15分ほどの休憩をはさんで15時半に終了。いやあ、面白かった~ 「ヴィヨンの妻」ってまさに朗読向きなんだな、とつくづく思いましたよ。 文章が「、」で区切られてどんどん続いていくんです。なかなか「。」で止まらない。(※) まるで人の、特に女性の「心の動きのさま」をそのまま写しとったかのよう。 ※こちら、インターネットの図書館、青空文庫で見れますよ。 今回の朗読であらためて太宰作品の「女性の口語文体」の魅力を実感することができました。
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