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カテゴリ:BMW 自動車部品
BMW ホイールアライメント KDS![]() ホイールアライメント(車軸整列、サスペンションのジオメトリー)テスターは ホイールバランサと同様に米国John BEAN(Snap-on傘下)が世界で初めて開発したと 思います ホイールアライメントが狂う主な原因は、ボディやサスペンションの変形、タイヤの 空気圧不足や磨耗などがあり、高速走行が多いFR車だとリアタイヤが早めに磨耗しますが 街中の走行が多いとフロントタイヤが早めに磨耗し、左右のフロントタイヤが同程度に 磨耗すれば良いですが、一般的に左折時の旋回速度が速くなって右フロントタイヤが 早く磨耗し、ホイールアライメントの狂いが気になるかもしれません BMWは、ホイールアライメントテスターについて BMW KDS/Kinematic Diagnosis System(キネマティック診断システム)と呼び、Bosch Beissbarth、Hunterなどを推奨(承認)していたハズで 初期のホイールアライメント用センサは、ホイールリムの端に取付るリムクランプ式を 採用していたハズですがホイールのランナウト(縦振れ、横振れ)のコンペンセーションが 必要になるので、BMW純正アロイホイールのハブボルト穴周りにある小さい穴を使って ホイールアライメント用センサやターゲットをピンで正確な位置に保持させる バイスバース(クイッククランプ、クイックアクティングクランプ)式を採用したかと 思います ピン用の穴に汚れや過剰な腐食がある場合、センサやターゲットが不規則に取付られ 不正確なアライメント結果を引き起こす可能性があります ![]() BMW KDSの測定については、VA/Vordere Achse(フロントアクスル)がキャスター キャンバー、トーイン(シングル、トータル)、スクラブ半径 HA/Hinter Achse(リアアクスル)がキャンバー、トーイン(シングル、トータル) スラストアングル、その他TOOT、ホイールベース、トレッド(トラック) 中心線に対してホイールまたはアクスルの横方向の変位(オフセット)などを測って くれたと思います そこで ホイールアライメントについて考えてみました タイヤホイールがサスペンションによって車軸に対して角度がつけられているのは ホイールアライメントと呼ばれている3要素(キャスター、キャンバー、トーイン)と キングピン傾角(KPI/King Pin Inclination)を盛り込むことで直進性やハンドル操作など を向上させる為で ![]() キャスターは、車両の側方から見て垂直線に対してキングピン(ステアリング軸・赤線) が前後に傾いてる角度で、後傾はポジティブキャスター、前傾はネガティブキャスター ステアリング軸と垂直線との距離をキャスタートレール、左右タイヤホイールの キャスター差をクロスキャスターと呼んでいて、例えばポジティブキャスターであれば 台車のキャスターと同様に抵抗で軸を元に戻そうとし車を直進に保つ方向制御の ジオメトリ角になるので角度が大きいと直進性は良くなりますがハンドル操作は重くなる ハズで、BMWは低速で操舵力が増加し高速で安定性が向上してコーナリングも向上するので ポジティブキャスターを採用し、ハンドル操作が重くなるマイナス面は サーボトロニック(パワステ)などで補えば良いと考えているハズで、キャスター角が 調整不可能なBMWは、サスペンションやボディに異常がある(タイヤが要因の場合もあります) とクロスキャスターが大きくなりよりポジティブキャスターな方にハンドルが引張られる場合 があるかと思います ![]() キャンバーは、車両の前方から見て垂直線に対して内外に傾いてる角度で、ホイールの 上側で外に傾くとポジティブキャンバー、内に傾くとネガティブキャンバー、傾きがないと ゼロキャンバー、左右タイヤホイールのキャンバー差をクロスキャンバーと呼んでいて コマと円筒を回転させると、抵抗が少ないコマの方が良く回るのと同じ原理になり ハンドル操作を軽減することができます BMWは、フロントはネガティブキャンバーが多かったと思いますが一部のモデルで調整可能で リアはHA3とIntegral3以降のモデルから調整可能だったと思います 過度なポジティブキャンバーはタイヤの外縁に、過度なネガティブキャンバーは内縁に 異常摩耗が発生し、クロスキャンバーが大きいとよりポジティブキャンバーな方に ハンドルが引張られる場合があるかと思います(タイヤが要因の場合もあります) ![]() トーは、車両の上方から見て進行方向に対してホイール中心前端と後端の長さの差で 前端が短いとトーイン、長いとトーアウトと呼んでいて、例えば、ポジティブキャンバーに 設定するとハンドルの操作力を軽減できますが、タイヤが外側に進むのでトーインをつけ タイヤを内側に進ませ打消しあうことで直進させているハズで BMWはトーインが基本ですが、車両がローリングする場合にトーアウトも許容し、フロントは すべてのモデルで調整可能になっていますが、リアはHA3とIntegral3以降のモデルから 調整可能だったと思います ![]() キングピン傾角(KPI)は、車両の前方から見てキングピン延長線(ステアリング軸・赤線) とタイヤのフットプリント(接触面積)中心の線との角度で、欧州ではKPIと呼ばず SAI/Steering Axis Inclinationと呼ばれ、ステアリング軸の路面交点とフットプリント 中心点との距離がスクラブ半径(ステアリングオフセット)になり、路面交点が フットプリント中心点より内側の場合はポジティブスクラブ半径、外側にある場合は ネガティブスクラブ半径などと呼び、キャンバー調節やサスペンション変形時の診断などに 利用されるキャンバーとKPIを合せた角度がIA/Included Angle(インクルーデッド角)と 呼ばれていて、例えばポジティブスクラブでタイヤホイールを旋回さすとホイールの中心が 下がりタイヤホイールは地面にめり込もうとしますが、車両重量による路面からの反力で 車体を持上げようとしタイヤホイールを直進状態に戻してくれるかと思います また 過度にポジティブスクラブの場合はブレーキングの安定性が低下し、過度にネガティブの 場合には方向安定性が低下しハンドルを介してドライバーへのフィードバックが落ちるハズで BMWは、スモールポジティブスクラブで設計し、ブレーキングの安定性を損なうことなく 方向安定性やドライバーへのフィードバックを向上させたいと考えているハズで キングピン傾角とスクラブ半径は調整不可能ですが、タイヤホイールを推奨値以外のサイズで 組付けた場合は、スクラブ半径が変化するのでハンドリング特性などが変化する場合がある かと思います ![]() TOOT/Toe Out on Turns(20度回転角差・Track Differential Angle)は、旋回時の左右の タイヤホイールの切れ角差で、外側のタイヤホイールが内側よりも長い距離を移動する必要が あるので、BMWはスイベルベアリング(ステアリングアーム、ナックルアーム)の設計によって 内側の切れ角より外側の切れ角の方を小さい角度に設定しているハズで、左右差が大きい場合 ステアリングリンケージが変形している疑いがあり、タイヤの鳴き、横滑り、異常摩耗が 起こる可能性があります ![]() 中心線(Geometric Axis、Symmetrical Axis)は、前後アクスルの中点を通る架空線で 前後アクスルに対して90度になり、スラストライン(Geometrical Drive Axis)は リアトー角を二等分する架空線で車の進行方向を表し、スラストアングルは中心線と スラストラインの角度差になり、スラストラインが中心線の右側だと ポジティブスラストアングル左側だとネガティブスラストアングルと呼ばれ0度が最適で 角度差が大きくなるにつれ直進性に直接影響しハンドル操作に影響を与えてしまい BMWはホイールアライメントを行う場合には、スラストアングルは限りなくゼロに近いことを 確認するように指示していると思います ![]() ![]() 【BMW純正】US限定 BMW キーホルダー BMW キーケース レザー ブラック フロントアクスル、HAとIntegralについてはお時間があれば t3109 BMW フロントアクスル http://plaza.rakuten.co.jp/t3109/diary/201307090000/ t3109 BMW リアサスペンションの呼称(HAとIntegralについて) http://plaza.rakuten.co.jp/t3109/diary/201306210000/ を閲覧して下さい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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November 5, 2017 06:35:31 PM
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