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2008.08.03
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カテゴリ:映画紀行

再び2003年11月のウィーンに話を戻す。映画『第三の男』を訪ねて、プラーターの観覧車(こちら)を訪れた次の訪問地は、中央墓地である。墓地をまじめに探訪するというのは、国内外を問わず、この時がおそらく最初である。

映画『第三の男』は、墓地に始まり墓地に終わるが、その墓地こそがウィーンの中央墓地である。旧友ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)に招かれてウィーンを訪れたホリイ・マーチンスことジョゼフ・コットンが、最初に出くわすのが、ハリー・ライムの死、そして墓地への埋葬のシーンだ。

しかし、埋葬されたのは本人ではなく、やがて第三の男として、ハリー・ライム本人が登場する。暗闇に突如照らされた灯りに、浮かび上がる、オーソン・ウェルズの顔のクローズアップ(右上)。その一瞬漂う危険な香りには、身も凍るほどの衝撃感がある。とは、言い過ぎかもしれないが、その演出には痺れる。

そして、映画史上に残る、有名なエンディング。ハリー・ライムの葬式を終えて、ハリーの恋人役アリダ・ヴァリを待つ、ジョゼフ・コットン(下)。だんだん近づいてきて、姿が大きくなってくるアリダ・ヴァリ。しかし、一瞥もせずに通り過ぎ、画面から消えていく。私が中央墓地を訪れたのも、このシーンを求めてのことであった。

         第三の男のラストシーン

この中央墓地は実に広大である。音楽の都、ウィーンに相応しく、ヨハン・シュトラウス、モーツアルト、ベートーベン、シューベルト、ブラームスと、有名な作曲家がこの墓地に眠っているのであるが、その事実を知るのも、ウィーンを訪れる直前である。この墓地は、ウィーン国際空港に着陸する際に眼下にも眺めたのであったが、とにかく市街地から遠く離れた場所にある。

プラーターからどうやって行ったのか覚えていない。しかし、おそらくウィーン北駅から国鉄でウィーン・ミッテ駅に行き、そこで路面電車に乗り換えたに違いない。中央墓地までは、路面電車でかなりの停車場があったので、降り損ねないようにと、停車場の名前には目を光らせていたものである。『第三の男』を訪ねて、この地を目ざすとは、我ながらモノ好きだと、思うのであった。

11月9日の中央墓地は、モノクロの映画と同じように、寒々とした景色であった。木々の葉は落ち、路肩には黄色い落葉が溢れている。路面に溢れている場所もあり、たまに通り過ぎる車や、晩秋の風に落葉が舞ったりもした。空を見上げると曇っていて、寒々としていたが実際、寒い。トイレを求めて、2度も、墓地の中央にある教会に駆け込んだ。

墓地の入り口、大きな白い門を往来していた人々も、広大な公園の中にばらけてしまうと、人影もまばらで寂しい。しかし、映画のシーンを探す私にとっては、それも気にならず、2時間ほども歩いたのであった。縦横に走る並木道は、どこも似てるようで、映画のシーンらしき場所もあるのだが(下写真)、結局、その場所を特定することは出来なかった。

    ウィーン中央墓地

広い墓地は、2時間歩いてもなお、歩ききれないほどである。そのモノずばりの場所は分からなかったが、もしかしたら通ったかもしれないし、辿りつかなかったのかもしれない。しかし、悔いはなかった。雰囲気だけは十分味わえたように思う。

さて、中央墓地を訪れたからには、やはり有名な作曲家の墓を見ずに去るような、愚かなことはしない。ここを訪れると、自ずと、このウィーンの地が音楽の都であることを実感させられるのであった。ヨハン・シュトラウスとブラームスの墓が並び(下左写真:左から)、モーツアルトの墓には左手にベートーベン、右手にシューベルトも一緒に眠っていた(下右写真)。

     ウィーン中央墓地2

ウィーン中央墓地は、『第三の男』の雰囲気を味わうには、避けて通れない場所であると共に、クラシックを愛する人々にとってもまさに聖地と言えそうである。そんな思いを胸に、墓地を後にし、再び路面電車で市街地に向かったのであった。






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Last updated  2008.08.07 20:41:14
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