カテゴリ:趣味のはなし
さて、前置きが長くなりました。
映画自体の感想ですが。 前評判に違わぬ超大作、名作でした。気を緩めるいとまなどないほど 密度の高い作品で、上映時間の長さを全く感じませんでした。 驚いたのは、全体を通してセリフ部分は一切なく、 ミュージカルと同じく歌で綴られていたことでした。 演じているのはミュージカル俳優さんではなく、ハリウッドの俳優さんたち なのですが、歌の経験の有無はよく知りませんが、その歌唱力の高いこと。 驚きました。 ただ、万人向きの映画かと言われると・・・ 全体を通して歌で綴られるミュージカル形式であること、 そして、根本的にキリスト教の価値観をベースとしたストーリーであることを 考えると、違和感を持つ人、理解できなくて退屈する人もいるかもしれない、 という感じはしました。 (実際、映画の観客の中には、退屈してげほごほ、ガーガーと音を立ててた おっさんが・・・メイワク) ムスメは、学校でキリスト教を学習しているし、映画に出てきたような教会の司教さま は身近な存在なので、興味を示した箇所がいくつもあったようです。 でも、 ムスメが、ストーリーの深さをどれほどまで理解できたのかはよくわかりません。 女性が差別され、お金のために身を売ることの屈辱なんて、全くわからなかった だろうと。 ただ、「(上映時間は)思っていたより短かった」と言っていたので、 最初から最後まで、ちゃんと観ていたのだとは思います。 「貧困」というもののイメージは、少しはつかめたのではないかと思います。 キリスト教の学習をして、しかもフランス革命に関心があったムスメにとって、 この映画は本当にタイムリーでした。 私は・・・2時間40分、涙が流れっぱなしの鑑賞となりました(^^;) もう、音楽が流れてきただけで感激。 特に、ミュージカルを観た時と違うように感じたのが、 大人になったコゼットがよその男に恋をして手元から離れていくことを おそれるジャン・バルジャンの親心。 ああ、わかる、わかるわ~~~、子どもが巣立つ寂しさ!! ムスメが巣立っていったら、私も一人だわーーー・・・と。 それから、ストーリーの中では悪役のような存在のジャベール警部の心も、 わかるようになりました。 悪いのは、法を犯したが神の教えを守ったジャン・バルジャンか? 神の教えに背くことになろうとも法という秩序を守ろうとしたジャベールか? そして、最終的に生き残りゲームに勝ったのは、 詐欺も盗みもいとわない、テルナディエ夫妻のようなこずるい民衆だったので はないか?という点も、考えさせられました。 生きるために行う行為に正解も不正解もなく、ただ誰も皆、必死に生きようとしている ・・・ 原作者が意図したのかどうかはわかりませんが、 少なくともこの映画作品からはそんなメッセージを受け取りました。 時間があれば、もう一度、見に行きたいな。 いろいろな見方ができる作品なので。 でも・・・やっぱりこの作品は、日本語でもいいから舞台も見るべき、 と思います。 高いんですけどね~・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 26, 2012 11:38:06 PM
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