カテゴリ:テレビのはなし
(前からのつづき)
あれだけ有名なアニメのBGMの楽譜がほどんどなくなってしまったって、 にわかには信じられない話なのですが。 当時、番組に合わせて追われるようにBGMを作っていたそうで、 それでも、たかが子ども向けアニメ番組のBGM、という程度の 認識だったため、どうも、楽譜が片端から破棄されていってしまったようで。 それを、最近になって、彬さんが、残されている音源を耳コピして すべて楽譜に書き起こした、とおっしゃっていました。 子ども向けアニメのために命を削って交響曲を作曲する父親も偉大なら、 それを耳コピで完全再現する息子もすごすぎる・・・。 オリジナル『宇宙戦艦ヤマト』というアニメの偉大さは、 松本零士という漫画の奇才が作画したものに、 宮川泰という天才が本気で作曲したBGMを付けた、 という点に凝縮されていると私は思っています。 たとえ、 地球を救うミッションを負ったのが日本人だけ、であっても、 ヤマトのクルーの中に女の子が一人だけ、であっても、 肌の色の違う宇宙人が日本語をしゃべっても(あれはテレパシーだった という設定だったかな?) 攻撃されたヤマトが”真空の”宇宙空間で、爆発の大音響を響かせて 煙をもうもうと上げながら航行していても、 敵の爆撃でいったん壊れてしまった第三艦橋が、次の瞬間生え替わっていても、 そもそも、戦艦の形をしたものが宇宙へ飛び立つとか、 スイッチ一つで放射能が消える放射能除去装置とか(ホントにあったらいいのにな) 現実には絶対あり得ない設定であっても、 ストーリーがいろんな矛盾点を孕んでいて不完全であっても、 今なお絶大な人気が続いているのは、 子どものために大人が本気で作った作品だったから、だと思っています。 (でも、SFとして矛盾点が見えないように上手く処理された優れたアニメ作品があまたある現在、 ↑のままヤマトをリメイクしていいんだろうか・・・?とは思うんですが) 実写版ヤマトはどうしても受け入れられなかった私ですが、 そんな、”音楽だけは肝いり”という背景を知っているので、 このリメイク版が今後どのように展開するのか、見届けたいと思います。 そうそう。 私が小学生だったころにぐっと惹きつけられた ヤマト主題歌の前奏の、長調から短調への転調部分。 『題名のない音楽会』で彬さんが、 「その部分こそが、宮川泰の偉大だったところ」 と解説されていました。 当時の子ども向けアニメの主題歌は、 最初から最後まで長調か短調か、どちらか一本調子だったのに対し、 ヤマトの主題歌は、長調で始まり明るく前向きに展開する かと思いきや、いきなり短調に転調する、という、 アニメ主題歌の常識を破る曲だったのだそうで(^^;;;) 私は、そこにまんまとひかかったわけです。 そして、私の人生自体が変わりました。 人生を変えるアニメ・・・かもしれません(^^) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 8, 2013 09:31:43 PM
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