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テーマ:映画レビュー(889)
カテゴリ:映画 ハ行
『バートン・フィンク』を観ました
ニューヨークで劇作家としての実力を認められハリウッドで脚本の仕事を任された男が、 宿泊先のホテルで体験する奇妙な出来事を描いた、ジョエル・コーエン監督が放つ 驚異のサスペンスです >>『バートン・フィンク』関連 原題:BARTON FINK ジャンル:ドラマ 上映時間:116分 製作国:1991年・アメリカ 監督・製作: ジョエル・コーエン 製作・脚本: イーサン・コーエン 出演: ジョン・タートゥーロ、ジョン・グッドマン、ジュディ・デイヴィス 【ストーリー】 1941年のニューヨーク。 社会派劇作家のバートン・フィンクは、ハリウッドに招かれて映画のシナリオを依頼された。 早速ホテルにチェック・インしたが、そこは薄暗く、不気味な雰囲気が漂っていた。 とりあえず部屋に入った彼だったが……。 ここから先はネタバレを含みます。ご注意を 見える生活、見えない人生。 久々にまた観てみたら奥深く、完璧に計算尽くされた感の漂うコーエン兄弟の世界観には やっぱり圧倒されます ハリウッドのサンサンと輝く太陽の下の映画会社社長の家やプールなどの明るい雰囲気と 不気味な雰囲気が始終漂う薄暗く、暑苦しいホテルの様子が相反していて印象的です。 隣の部屋から聞こえてきた不気味な笑い声の主に苦情を言った事から、 保険外交員の大男チャーリーと不思議と仲良くなるが、 後半から次第に彼に対する不信が沸いてきて、一気に追い詰められていくような描写が、 暑苦しく重苦しいホテルの雰囲気と合致して 観ているこっちまでハラハラして目を離せなくなりました 何度観ても物書きではない僕がこの世界観を理解するのは難しいようで、 箱の中身や、電話がつながらなかったこと、炎を前にして冷静沈着なバートン、 海岸の女性などなど、 現実と考えると疑問が多いのです。 でも、社会派劇作家のバートンが、 B級レスリング映画の脚本を書かなくてはいけなくなり、 羽詰ったときに陥ってしまった現実と妄想ってことなのかなっと考えると チャーリーの存在も、箱の中身も、電話の件も納得出来てくるわけです。 この現実と妄想の切り替えを壁紙がベローンとはがれてくる様子や、 配水管の穴で表現しているのかなと。 神経質気味でインテリっぽいバートンを演じたジョン・タートゥーロと、 一見怖そうな大男だけど、笑顔の可愛らしいチャーリー (でも、緊迫した状況の形相は恐ろしかった)を演じたジョン・グッドマンの 2人の好演が光ってました それから、出演シーンはちょこっとなのに、存在感たっぷりのスティーヴ・ブシェミ。 ホテルのフロントの床下からスティーヴ・ブシェミが登場したときは 笑っちゃいましたよ それにしても、箱の中身はなんじゃらホイ?っと気にしている段階で まだまだ僕はコーエン・ワールドについて勉強不足なんでしょうね それでも、不思議と惹かれるものがあり、ときどき観たくなる印象的な映画です お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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