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山形達也85歳の心理学

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2013.03.29
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カテゴリ:薬科大学
さえ

この薬科大学は世界各地の大学と交流協定を結んでいるのを知っていますね。一番古いのが確か北里大学で、1984年に協定が調印されました。

引き続いて富山医科薬科大学1985年、米国カリフォルニア大学薬学院1986年、米国ミネソタ大学薬学院1987年、北海道薬科大学1987年と続いて、いまでは52校と交流協定があるそうです。

交流協定というと、学生の交換、単位の互換性とか、先生達の交換留学などいろいろのレベルの交流があると思います。でも、この薬科大学から日本を含む世界各国に学生や先生達が出掛ける例は沢山ありますが、逆にこの大学を訪問する学生や先生達はあまりありません。

まして現役の研究者である教授がここに長期滞在する例は、少なくとも日本からあったとはぼくは聞いたことがありません。おそらく大学の実力に格差があるからでしょうね。ここから世界の各地に出掛けたがる人は沢山いても、この大学に来たい人はあまりないのでしょう。

ところが昨年秋、北海道薬科大学から一人の女性准教授が半年の研修予定で着任しました。この薬科大学から北海道薬科大学に留学して博士号をとってこの大学の教授になった先生が何人もいるので、そのうちの一人の研究室が彼女の滞在の面倒を見たようです。

この准教授は薬学教育系で仕事をしている若手の先生です。つまり北海道薬科大学は薬学教育の方法に力を入れているのですね。教え方に関する研究もあるみたいです。

北海道薬科大学では先生の授業に対する学生の評価も(無記名ですが)、秘密にするのではなく一般にも公開しているのだそうです。公開しなくては学生による評価が当の先生にフィードバックしないですよね。大学のレベルを上げるのに本気で取り組んでいるのだと思います。

この准教授に伺うと、中国にあるこの薬科大学に来て良かったと言うことですが、ここでは学生の講義の殆どは若い講師が教科書を読み上げているだけですから、むしろ北海道薬科大学で工夫している教授法を伝えて欲しかったですね。

薬学はもちろん科学では、年々知識の量はうなぎ登りに増えて行く一方です。基礎の知識から最新の知見までの羅列を、一方的に教え込むなんて、しかも学生がすべて受け身だったら、それが効果を挙げるなんて至難の業です。

そう思うと大学の講義は、学生にモティべーションを持たせること、どうやって学ぶかを教えることに尽きますね。最新の知見だって、学生が講義で聴いても卒業して社会に役立つ人材となった頃には一昨日の知識ですものね。人は一生学び続ける以外ないのですから、学んでいく姿勢を教え込むのが大学でしょう。

ぼくの受け持っている分子生物学では、薬学日語の学生と中薬日語の学生と毎期ごとに交代で受け持っています。毎回、その前の講義に基づいて変更を加えています。講義のたびに、教えた内容で考えさせるための問題を出して、紙に書かせています。これの出来不出来は成績には一切関係なしで書かせています。

本当はアメリカの講義みたいに、事前の予習を要求して、講義ではぼくと学生の質疑応答だけに出来たらいいなと何時も思っています。

「学習する」ことは「知識を詰め込む」ことだという中国や日本の学問の大前提を、どこかで崩さないと、本当に頭を使ってものを考える人は育たないのかも知れませんね。





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最終更新日  2013.03.29 10:43:17
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