マゴチ
こんにちは。いやー梅雨ですね。2日前,瀬戸内海の小豆島の土庄港でめずらしいお魚が捕獲されたそうです。それは,マンボウです。そう,あのマンボウ。瀬戸内海にマンボウは生息しません。1995年に捕獲されて以来だそうです。なぜマンボウが瀬戸内海にやってきたんでしょうか??ニュースでは,こう説明していました。「本来ならばマンボウは暖かいところに生息し,今の時期は,黒潮にのって高知沖の太平洋を北上しているはずなんですが,エサであるクラゲなどを追っているうちに,何らかの理由で瀬戸内海に迷い込んだ」そうです。そのマンボウはまだ1mほどで小さく,黒い水玉模様のような斑紋がついていました。上下の背びれを交互にパタパタさせてとても可愛かったです。そして海にリリースされていました無事に黒潮に乗れますように。え~,ローカルニュースでございました。では前回の続きです。梅雨に美味しいおさかなとして,昨年は「イサキ」をご紹介しました。瀬戸内海での「梅雨の水を飲んで美味しくなるさかな」の代表格はハモです。あ~,イサキもハモも食べたい!!でも,初夏に美味しいおさかなはまだまだあります。その一つが ↓ ↓マゴチです。前回,庵治漁港の活き活き日曜市で購入したマゴチです。マゴチのプチ知識標準和名:マゴチ(カサゴ目コチ科コチ属)マゴチの体や生活 色:黒っぽい茶褐色。黒いしま模様。 頭:平べったい(英語名でFlathead(=平たい頭)と呼ばれる)。目が小さい。 大きさ:大きいもので全長1mにもなる。 生態:分布は,常磐地方から九州までの30mより浅い砂泥地に住む。 産卵期:夏。 旬:初夏~夏にかけて。マゴチの特徴 「照りゴチ」:釣り人の間での名称。 梅雨明けのかっと照りつける太陽の下でよく釣れるため, こう呼ばれる。産卵期が夏のため食欲旺盛な夏によく釣れる。 性転換:ベラやクマノミのように性転換することで有名なお魚です。 約40cmでオスからメスへと転換します。 しっぽの模様:白地に黒・黄の斑紋です。 これがしっぽ。これこれ。この模様がマゴチ特有のものなんです。 次はお料理です。マゴチのサイズは約40cm。オスでした。メスに換わるちょっと前だったのかもしれません。そして,いつものようにしろくまくんが捌きます。体の形が縦扁ですので,縦に三枚におろします。左から,白子,胃袋,肝です。これらの内臓も美味しいんですよ。さっきまで生きていたので,内臓の形がしっかりして,色も綺麗です。【マゴチのお刺身】三枚におろしたマゴチの身を薄造りにしたものです。骨がとっても頑丈なので,骨抜きはかなり大変でした。わさび醤油またはフグのようにポン酢ともみじおろしで食べても美味です。引き締まった甘い身が美味しいです。さすが「夏のフグ」と言われるだけのことはあります!【白子・胃袋・肝の湯引き】いずれも軽く熱湯と酒でゆでて,すぐに氷水に冷やし,水気を切って,一口大に切り分けたものです。お刺身と同様,わさび醤油かポン酢でいただきます。白子はとろとろと甘く,胃袋はコリコリ,肝は旨みたっぷりで美味しいです。【マゴチの洗い 皮の湯引き】刺身も美味しいですが、マゴチのように弾力のある白身のお魚は、「洗い」にするとまたすっきりとした美味しさが楽しめます1 薄切りにしたマゴチの身を氷水に入れて,勢いよくかき混ぜる。 2 新たに氷水に移して身が白くなるまでつける。3 表面が白っぽくなったらざるにあげてよく水気を切り盛り付ける。(皮の湯引き)1 三枚におろす前にウロコを取り,皮を引く。2 鍋に湯を沸かし,皮を茹でる。3 一旦丸まり,広がってきたら,あげて氷水に入れて, 残ったウロコ等を,手でしごくようにしてきれいに取る。4 水気を切り,細切りにして,ねぎを盛りつける。塩とかぼすまたはわさび醤油で食べるのがオススメです。くにゅくにゅとした触感と甘い味が楽しめます。おさかなには、皮と身の間にもとっても美味しい脂があるんですよ【マゴチのアラの塩焼き】マゴチの胸鰭の部分と中骨の部分に塩をあて,10分ほど置いたら出てきた水分を拭き取り,グリルで焼きます。マゴチは火を通すとまたさらに美味しくなります。【マゴチのアラのお吸い物】1 マゴチのアラ(頭や中骨など)に強めに塩をあて30分おく。2 ざるに1のアラをのせて,その上にキッチンペーパーをのせる。3 2の下にボールを置いて,上から熱湯をかけ,アラの表面が白っぽくなるまでおく。4 3の下のボールにたまった湯を捨て,流水で残ったうろこや血合をきれいに取り除く。5 鍋に昆布と水と4と酒を入れて,火にかける。6 一旦沸騰したら火を弱めあくを取りながらコトコトと煮る。7 完全に火が通ったら,みりん,塩,しょう油(1~2滴)を入れてゆっくりかき混ぜる。8 おわんに盛り木の芽を飾ってできあがり。マゴチは料理人さんの間では「歩留まり(ぶどまり)の悪い魚」と言われているそうです。頭が大きくて食べる身が少ないこと縦におろしたときに17本づつ合計34本の小骨がしっかりと身に入っており,骨抜きに一苦労することがその要因だそうです。今風の言い方で言うと「CP(コスパ)が悪い」といった感じでしょうか。確かに,骨抜きはとても大変でしたし,しろくまくんもコチの頭を割るのに頑丈な骨にタジタジで,素人料理人の私たちはヘトヘトでした。でも,マゴチを食べたとき,それだけ手間隙かけた甲斐があった!!と思えます。それだけ美味しいおさかなだと思いますお店でマゴチをいただくときは,きっとこの骨抜きの苦労がよみがえってこれまでより料理人さんに感謝して食べることができそうです今日もごちそうさまでしたにほんブログ村