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カテゴリ:医療
当たり前のことですが、解剖は亡くなってからでないと出来ません。医療が適切であったかどうか、解剖所見を元に論ずるのは後出しジャンケンのそしりを免れないでしょう。もちろん今後に生かすためのカンファランスで論ずるのは問題ありませんが、診断や治療を批判するのであれば、生前のデータを用いるべきです。
また、法医学者は臨床医ではなく、いわゆる基礎医学者です。アルバイトで診療を行うことはあるかも知れませんが、基本的には、診療技術はプロではありません。法医学者は解剖所見だけを提示し、診療内容の可否の判断は臨床医に任せるべきでしょう。 「治療適切なら救命も」 殺人事件で解剖医証言 いつものことですが、記事には治療が適切であったかどうか分かるような情報はほとんどありません。でも、記事から推察するに、解剖所見から法医学者は緊張性血気胸で死亡したと判断したようです。それだけ報告してお終いにすれば何も問題はなかったのですが、治療の是非にまで口を出すのはやり過ぎです。 口蹄疫に関しても、自分の守備範囲をわきまえない女性医系技官のトンデモ発言が話題になっていますが、この記事の越権行為の法医学教授も女性ですね。私自身は女性だからと言うつもりはありませんが、両方を見て、「だから女は」と言う人はいるんだろうなあ。 男でも女でも自分の守備範囲をわきまえることは大切ですが、女性への偏見が現実にある以上、特に女性は慎重に行動して欲しいと思います。肩肘張らないと生きていけない女性専門家は、つい、守備範囲を逸脱しやすいのかも知れませんが。 臨床医のひとりとして言わせて貰えば、現に首(頸)から大量出血していれば、まずは止血と輸血に専念するでしょう。血気胸があったとしても、そちらが後回しになるのは仕方ありません。血気胸が死因であったのが事実としても、それを適切に治療できたのかどうかはその時の状況に依ります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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