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物事は連続している。1つの問題が発生すると、それに関係してもう1つ、
問題が発生する。時として、その二段目のことの方が、重要であることが 多い。原因と結果でいえば、その原因を追究し遮断することで結果も変わる。 元を断つということで言えば、一段目がより重要な問題でもあるのだが…。 昨日の書き込みに関連して、「投資」の世界の二段階も書いておこう。 それは「リスク」である。このリスクは元本割れだとか、危険という意味 ではなく、将来のリターンの不確実性を表す。予想通りにならない可能性の 大きさと言ったらいいだろうか。結果のバラツキ具合(標準偏差)の大きさだ。 つまり投資の世界は、将来がどうなるか分からない。過去の実績などから、 将来をある程度予測していかざるを得ない。将来の成果がどの範囲内に 収まるか?それが投資の世界のリスクだ。でも前提の数字が崩れると、 将来の予測も崩れてしまう。リスクも二段階の構造になっている。 例えば模試で、ある受験生がいつも10,000人中500位前後だとする。そうすると その成績を前提に、A大学なら合格できそうだと予測するのではないだろうか。 ところが、願書提出の最後の見極めとなる模試で、10,000人中300位を取ったら どうだろう。悪くなったのではなく、良くなったのだから問題ないと見る向きも あるだろうが、投資の世界で考えると少し見方は違う。 500位という前提が崩れた以上、A大学で本当にいいのか検討が必要になる。 何故なら、300位が取れたということは、200位良くなった。ならば同じ確率で 200位悪くなる可能性も出てきたことを意味するのである。つまり当日の 試験によっては、A大学では落ちる可能性も高まったことになってしまうのだ。 前提があって予測している。前提が変われば予測も変わる。将来のリターンの 変動幅、リスクは、上にも下にも同じ確率で起こり得るとみるわけだ。 これも可能性の問題だから、必ず上下に同じ確率だと保証されているわけ ではなく、あくまでも確率の話だ。たとえば1標準偏差の中に約68%、2標準 偏差の中に約95%の確率で収まるといわれている。結果は正規分布すると 考えられているのだ。インデックスファンドがベンチマークを大きく上回った 場合の考え方と同じだ。連動を目指すインデックスファンドが大きく上回れば、 それだけリスクが大きくなり、下振れする危険性も高まったと考える。だから インデックスファンドの良し悪しは、きちんと連動しているかどうかで見る。 前提があってはじめて予測も確実性を増すのだから、一段目は重要だ。でも 受験の話で言えば、二段目の「合格するかしないか」の方が切実な問題である し、インデックスファンドなら市場平均という投資結果こそ重要だ。 物事は、それ自体が独立しているわけではない。連続していて複雑だ。この 不確実な投資の世界を生き抜くには、やはり勘だけではいけない。人間が 将来を見通せる神ではない以上、過去から将来を読み解く、統計学などの 理論も加味した想像性が必要である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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