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少し前のこと,ヴェネツィアの大運河から見た有名なあのリアルト橋の写真を掲載した。
そとのきは橋の上の様子ではなく,ヴォパレットに乗って運河からとった橋の全景を紹介したのだった。 それで,今回は橋の上の様子をご紹介しようと思う。 フィレンツエのアルノ川に架かるポンテ・ヴェッキオ(ヴェッキオ橋)もそうであるが,ここヴェネツィアの大運河にかかる,昔は大型船も通行可能なように跳ね橋であったリアルト橋。 今では大型船が運河を通るということはないが,それでも小型の船やヴォパレット(乗り合いの,市民が通勤に使う,あるいは観光客が移動に使う船),それにあの黒塗りのゴンドラが通るので,コンクリート造りで跳ね橋ではないが,中央が高くなった太鼓橋になっている。 この橋の上も,橋の袂も実に多くの人でごったがえしている。かつてのヴェネツィアでは,このあたりが商業の中心地。海外から商人がここへやってきて取引をしたのだから,ヨーロッパの一大商業の地とでも言おうか。写真にある階段のあちらの右手には今でも小さな古びた教会があるが,ここではじめて近代的な銀行が始まったのだ(これも以前写真つきで紹介した)。 さて,サン・マルコ広場から時計塔の下をくぐり,目抜き通りを通って,四つ筋にある建物の角のちょっと上に小さく表示されている「RIALTO →」に従って歩いていくと,小広場の手前,左手に折れる道があり,目の前にどーんと階段が現れる。これがリアルト橋の階段である。ここまでずうっと,広くはない道路の両側に土産物を扱う商店が軒を連ね,見飽きないのだが,リアルト橋の上まで続く土産物店の商品に目を奪われていると,つい自分のいるところが橋の上り口であることに気付かずに,階段を上ることになる。 橋の上も両側にはほとんど隙間なく店が並んでいるために,両側にある店のさらにその外側にある橋の欄干とテラスには全く気付かず,登り切った階段をまた下りることになるのだ。欄干にもたれかかって休んでいる人たちや,運河に向けて美しい風景をカメラにおさめている人も実に多いのだが,これには気付かないわけだ。 ピノキオの木彫りなどを売っている店も橋の袂にはあるが,橋の上にはカーニヴァルグッズを売っている店も目を楽しませてくれる。 カーニヴァルって? カルネとは肉のことでカルネヴァーレ(肉を絶つ)ということなのだが,この期間は肉を口にしないのか? このお面をつけて(他にもタブッロと呼ばれる黒い合羽やバウタと呼ばれる黒絹のヴェールなど,身につけるべきものはあるのだが)いれば,このカーニヴァルの期間中は無礼講。普段は階級差や貧富の差があって,特に男女間のお付き合いできる範囲は属する階級内だけだったから,誰とでも自由にというわけにはいかない。若い女が自由で出歩けるということもなかった。ところが仮装をしている限り,貴族階級であっても,どんな階級の女性とでもその限られた時間の中でだが,仲良くなれる。いくところまで行けるというのだ。 えっ,そんなこともできるの? そうです,良家の女が娼婦に混じって客を引くということだってできたというのです。堅物の元老院議員が自分の娘ほどの若い女性の胸の中に,心臓をドキドキさせながら手を滑り込ませることだってOK。ゴンドラを借り切って貴婦人とねんごろに・・・何でも許されたのです。 とにかく顔を隠している状態なのだから,身分がばれるとということはないのだ。貧富の差もなく身分の差もなく,男も女もこの期間はワクワクしたことだろう。これがいいのか悪いのか私には分からないが,気分転換にはどの階級にとってもきっと良かったに違いない。 お断りしておきますが,これは18世紀末までのヴェネツィア共和国時代のことです。今はこんなことはありません。残念でした。
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欄干にもたれかかって休んでいる人たちや,運河に向けて美しい風景をカメラにおさめている人の写真も見たかったわ!
(Nov 6, 2010 08:34:12 PM)
こんばんは☆
ブログ訪問&お気に入り登録ありがとうございます~!光栄です!! ヴェネツィアはいつ行っても何度行ってもステキなところですよね~~(うっとり) カルネヴァーレ(肉よさらば?)は、復活祭前に40日間の断食期間(四旬節)があるので、その前にできるだけ食べときましょう、というのが始まりらしいですが・・・ 原宿駅前さんの記事読んだら、なんだか私までドキドキしちゃいました(笑) (Nov 7, 2010 01:12:57 AM)
アッハッハ!
世が世であれば・・・ヴェネツィア共和国時代に戻りたい心境では有ります(笑い)、ハイ。次の国外旅行はイタリアかスペインが第一本命で有りますので胸を踊らせて読み入ってます。写真のど産物店は風情がありますね~~、私はこういう所を歩くのが大好きです・・その土地の匂いを感じますね! ま、良い日曜の日を=B~YE! (Nov 7, 2010 10:48:49 AM)
ピンク・ラ・フランスさん
>欄干にもたれかかって休んでいる人たちや,運河に向けて美しい風景をカメラにおさめている人の写真も見たかったわ! ----- 少し前の記事をご覧くださいね。橋の上の商店のその外側にある欄干の前の空間に大勢の人たちが居るのが分かりますよ。是非どうぞ。チャオ! (Nov 7, 2010 06:24:13 PM)
コメントありがとうございました。仮面は今はインテリアオブジェとして人気ありますね。またイタリアは橋の上にもお店があったり、文化の違いが旅人には発見だったりしますね。
(Nov 7, 2010 10:25:38 PM)
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