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テーマ:小学生ママの日記(28646)
カテゴリ:こんな風に読んでみる
今日は3年生に1学期最後の読み聞かせ。ひと足先に夏休み気分で、と『なつのいちにち』を持って行った。
青い青い空、緑がそよぐ田園、山のせせらぎ、画面を眺めているだけで森林浴ができてしまう絵本。作家自身にとってもまぎれもなく最高傑作だろう(昨年7月22日の記事参照)。子どもたちも気持ちよさそうな顔をして眺めている。静かなクラスだが、沈黙の中に反応がある。 主人公が神社の長い長い長い石段をあがっていくシーン、「ハァ」を連続25回、読まなければならない。でも実はここが腕の見せどころ。最初はせわしなく、だんだん脚が重くなり、息も絶え絶えにと移り変わりをしっかり演じると、子どもたちの太ももと握り拳にぐぐぐっと力が入る。最後の「ふー。」で一緒に息を吐き出す。にっこり。主人公とこれですっかり一体化できる。心情のみならず、肉体から攻めていくやり方もあるということだ。テクニック的には『ぐるんぱのようちえん』の「しょんぼり しょんぼり しょんぼり」に通じるか。 背表紙と表は絵が繋がっているので、最後は全開で見せる。画面から爽快な風を受けたような表情を子どもたちは見せてくれた。
もう1冊は相変わらず「ポリーずきん」。人形芝居を嫌がらず聞いてくれる年頃、というのを考えると、まあ3年生が上限だろう。もっと本格的な人形ならともかく。他にこの手のパフォーマンスをやる人もいないので、今年前半は全クラスにこの演目で入っている。 ちょっと時間に余裕があったので、赤ずきんのあらすじ紹介のときと、「ポリーずきん」本編でオオカミの人形を替えてみた。私の持っている「赤ずきん」セットのオオカミはおばあさんのナイトキャップをつけていて、「3匹のこぶた」セットのはネクタイをしめているのだ。電車やバスにがんばって乗るオオカミならネクタイくらいつけていてもいいかな、と。 このクラスは後で理由を書くが反応がおとなしい。でも目や口元をよく見ていると、こっそり喜んでくれているのがわかる。ここのとこ続けてやったせいで台詞覚えの人並みはずれて悪い私でも、台本に頼り切らずに読めるから、子どもの顔をしばしば見られて良かった。もちろんあんまりこれをやるとうるさくなって子どもがお話に集中できなくなるので頻度などは注意が必要。 さて、子どもたちがおとなしかった理由。今日のタイトルにずばり書いているが、実はこのクラス、担任の先生が大の絵本嫌い物語嫌いなのだ。読み聞かせの時間もいつもは廊下に立ったままで終わるまで教室に入って来ないと仲間から聞いていたので、初っ端に先生が入室してきたときは驚いた。その後は窓際の自分の席で顔を上げることなく黙々と仕事を片付けていた。…硬いオーラが出てるから、それならいっそ職員室で仕事しててくれないかなと真剣に思ってしまったことだ。子どもたちはお話を聞きながら、神経の片隅では常に雰囲気違いな担任を意識し続けているのだ。かわいそうに。なるべくリラックスした状態で物語に飛び込んでほしいと思っている私としては、先生的には頑張ったのかもしれないが…。教室にいるなら、話は聞かなくてかまわないから子どもたちの生き生きした顔を観察するとか、何かないかと思う。これで国語の文学系を教えられるんだろうか? 絵本でもノンフィクションなら大丈夫なのか。先月の『アカメアマガエル』とか。 自分で読んでやるのは苦手、とか、人に読んでもらうのは苦手、と感じてしまうこと自体は仕方がない。でもそれならうまくつきあっていく方法を考えてほしい。大人なんだから。子ども相手にだってそれじゃまずいでしょ。大人が自分の苦手意識をまきちらして子どもたちがそれで気まずくなるなんて。保護する側としては、ね。 しかしこういうのって、どう伝えていけばいいのか。まさかあっち行ってて下さいとは言えないし。朝の読み聞かせも年数を重ねてきて、自分も少し絵本とやらに親しむ必要があるかと思ってくれたのかもしれないし。子どもには飾らず接すればなんとかなることが多いけど、大人相手の交渉は難しい。 ↓よろしかったら押してください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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