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カテゴリ:コミック
読書週間カテゴリに入れるつもりでしたが、やっぱりコミックのところに入れておきます。朗読マンガという新しいジャンルの成立ですからね。カテゴリを複数登録できるといろいろ助かるんだけどまあしょうがない。
安藤徳香で『やまなし』の読みに目覚め(昨日の記事)、クラムボンについての諸説をネットで検索しているうちにひっかかってきた青年マンガ。朗読を、マンガで。私にしてはめずらしくミズテンで既刊3冊を一括注文。すぐ来てくれたので一気読み。
スピリッツの月刊のほうで連載しているそうだ。片山ユキヲの『花もて語れ』。週刊のほうのスピリッツも「昴」で読みやめている身としては青年誌は実に縁遠いので、めぐりあえてほんとによかった。買いです! 読み聞かせやってる人も、芝居やってる人も、先生も、とにかく1度読んでみて! うちのブログに興味をもってくださる方なら9割の確率でお薦め! 地味に見える絵柄だけれど、それはキャラクターデザインだけ。アクションも描くマンガ家さんのアシをしていただけに、スピード感とかあおりとか、必要であればそっち方面もガンガン臨場感をもって描ける作者。そのセンスはたとえば『やまなし』朗読場面ではカワセミ襲来に非常に活かされている。 私が安藤本を通して獲得した『やまなし』朗読の道筋、その方向は間違ってはいなかったと背中を押してもらったようでひと安心。でもたとえば「読み聞かせは淡々と派」の方たちからすると、これってもう演劇だわ朗読じゃない!とかなるのかしらん。私の読み聞かせはもともとかなり芝居寄りで、でもおとなしめで品のある(笑)声のおかげであまり文句も言われない。主人公も派手な声ではないだろうからなあ。 引っ込み思案で空想癖の強い主人公(OLになりたて)は子どもの頃の学芸会で一度だけ輝いたことがある。朗読指導のできる教生と出会い、ナレーターとして芝居そのもののレベルを引き上げたのだ。教生は去り、主人公もそのままぱっとしない人生を送ってきたが、ひょんなきっかけで、取引先のご令嬢に朗読せよという業務命令を受ける…。 朗読場面では浮かび上がる情景は墨絵で表現しているということで、編集さんの御苦労やいかにというあたりは作者インタビューをご覧ください。(コミックナタリーの記事はこちら)舞台裏好きにはたまらない裏話満載。 実は引きこもりのご令嬢を揺さぶったのは朗読そのものの力という以上に解釈の力なのだけれど、そのあたりはマンガの勢いで気にならない。でも実際には普段まともな口も聞けないおどおどした子と、ずっと引きこもって誰とも口を聞かずに何年も過ごしていた子が急に朗読をはじめても、まずまともな声は出ないんじゃないの。2人向き合って読んだり聞いたりしている間はともかく、その後2人はコンビを組んで朗読会に出演、マイクの前に立ち大観衆に向けて読むのだ。 朗読教室で他の人たちが発声をしている描写はちょっぴりあったけれど。朗読会のくだりは新刊の3巻めで題材は「花さき山」、これも30年近く人前で読んできた本なので(こんな感じ)目新しい発見はなかったものの興味深く読んだ。あそこで話者を交替させるという発想はなかったなあ。 朗読協力・朗読原案、というこのマンガにしかない監修役(著作権も一部共有しているそうだが当然だろう)の東百道(ひがし・ももじ)氏は主に千葉方面で朗読指導をしている人だ。機会があったら一度朗読を聞いてみたい。ブログ(こちら)は非常に熱いです。 周りにすすめまくった後で、赤木かん子さんもコラムでおすすめなことに気がついた(こちら)。直接お会いする機会があったので、安藤徳香本も携えていって『やまなし』を猛プッシュする。復刊の可能性があるといいなあ。 かん子さんには中学の図書館向けのバレエDVDのおすすめを聞かれていたので、シリーズが始まったばかりのディアゴスティーニを推薦する。守山実花さんセレクションで、今の人が押さえておくといいラインナップがきっちり。1巻目はオペラ座の白鳥でルテステュ主演。とりあえずドン・キもしくは次のジゼルまで入れれば私立女子中の図書館としては充分。予算が無ければ白鳥と2巻目のくるみで、とも伝えておく。くるみは吉田都でロイヤルだ。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.11.09 19:21:46
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