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テーマ:本のある暮らし(3187)
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あれから5年。みんなの夜、それぞれの夜をしずかに月はてらす。
大震災後に人々の希望となった『あさになったのでまどをあけますよ』の対になる本がとうとう書かれました。もっと静かな、けれど深く心に訴えかけてくる絵本です。 空を見上げて満月を見つけると、人の顔は明るくなります。心が直接照らされるような気がするのでしょうか。 地方の、でもバレエダンサーに需要があるくらいの都市を舞台に、「みんなの夜、それぞれの夜」が描かれます。赤ちゃんが見上げる空、バレリーナが練習帰りに見上げる空、男の子が買ったばかりの運動靴を膝に乗せバスの車窓から見る空、2人の時間を過ごすおじいさんおばあさん、お母さんと子ども、そんなみんなの見上げるそれぞれの夜。 お月さまはみんなを静かに照らします。まるでごほうびのように。 『あさになったのでまどをあけますよ』は刊行時から傑作の名をほしいままにしていましたが、このもう1冊を得て、真の意味での名作が誕生したと言えるのではないでしょうか。 画家・荒井良二の底力を感じさせる絵だけでも一見の価値がありますが、それ以上に絵本として強い力を持つ本です。私自身にとっても宝物が1冊増えました。 きょうはそらにまるいつき [ 荒井良二 ] 『きょうはそらにまるいつき』 荒井良二 作・絵 偕成社 2016年9月刊 1512円 荒井さんのHPを見たら丸善でサイン会! ってもっとよく見たら「三鷹まるごと絵本市」当日でした。しかも私がおはなし会やってる時間帯で、どこでもドアがあってもだめだった×× お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.10.04 22:07:51
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