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2007.04.04
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カテゴリ:社会問題
昨日22:00-23:09にかけて,フジテレビで「私たちは何を間違えたのか・・・検証あるある番組大辞典」と称した検証番組を放送しました。
このテーマについて書くのは3回目。
もういい加減忘れたいと思いつつも,うやむやにしてはいけない大事な問題がたくさん潜んでいると思ったので70分間しっかり見ました。

前回はねつ造の内容が紹介されて終わりましたが,今回は番組制作過程と今後の再発防止策をディレクターやプロデューサー,外部調査委員会のコメントをもとに番組ねつ造の検証をしていました。
それによって,フジテレビが番組を通して,どのように検証作業がなされたのか,ねつ造が行われた背景はなんだったのか,これ以外の放送回ではねつ造はないのか,今後の再発防止策はどのようなものかが明らかにされました。

内容は大きく分けて4つ
1.ねつ造問題発覚のきっかけとなった2007年1月7日納豆ダイエットの番組制作過程で何が起きたのかを検証
番組をおもしろくしたいと制作会社のディレクターは考えていました。
番組を収録するまで2ヶ月という期間が与えられ,その限られた時間の中で,なんとか納豆でやせるというロジックを見つけなければなりませんでした。
ディレクターは,過去に高い視聴率を獲得した成功体験を持っており,収録直前の時期に米博士のコメントをボイスオーバー(英語のコメントに日本語のナレーションをかぶせる)でねつ造しました。

真実を知るためには時間と労力が必要です。
検証の過程で予想外の結果が出てくることもあるでしょう。
しかし制作過程では,仮説ありきで,仮説にあう都合のよい情報だけを出し,都合の悪い情報は隠したり,改ざんしたりしてしまう。
あとはインターネットで手軽に情報を入手して,その情報の信頼性を問うことはありませんでした。
インターネットによる簡便な情報検索,パソコンでの動画編集など効率的に仕事のできるようになったことで,結果として「手抜きのできる」仕事が可能なったという一面があるかもしれません。

2.あるある大辞典が抱えていた問題を外部調査委員会の報告をもとに検証
1996年に始まったあるある大辞典では,定説といわれるものを頼りに,学者,研究者があらかじめ検証してきた実験データを追従する程度のものでした。
しかし2004年にリニューアルしたあるある大辞典2では,仮説を立ててそれを実験によって検証するという番組作りに変わりました。
バラエティ色が強くなり,いかに分かりやすくおもしろく伝えるかに重きが置かれました。
一方で,情報の正確性がないがしろにされてしまいました。
また予算が限られていたため,科学の信憑性をチェックする体制もとられないままでした。
ねつ造発覚前にすでに,番組に対する批判や本まで出されましたが,10年間の実績に対する過信があったという証言がありました。
視聴率維持のために,そうかもしれないという仮説的な結果についても次第に断定的な表現がとられていきました。

3.フジテレビ系列に送られた今回のねつ造問題に対する意見を書いたメールや手紙を紹介

4.再発防止策(社員意識アンケートより)
放送局のあるべき姿を経営側が示すべき。
制作担当者の良心をキープする術を身につけるべき。
視聴者のニーズを測る視聴率とは異なる指標を見つけるべき。
調査委員会の報告では,内部体制の強化,チェック機能の強化,視聴者との回路作りなどが提言されました。
関西テレビは,コンプライアンス推進室の設置や制作会社との公正な制約などを誓約しました。

視聴者は今回の放送をどれくらい見ているのでしょう。
信頼を裏切られたと感じた視聴者は検証番組すら見る気が起きないかもしれません。
今回の検証番組に対しての視聴者との回路をどのように担保していくのでしょう。
この検証番組がどのようにして制作されたのでしょう。
テレビはつくられたものです。したがって,限られた70分という時間の中で,収集された情報が制作過程で取捨選択されたはずです。
どのような基準を持って取捨選択の判断がなされたのでしょうか。
この番組制作に関わった人は,あるある大辞典の制作番組関係者と関係はないのでしょうか。
ディレクターやプロデューサーなどの番組制作サイドのコメントは本当に真実をあらわしたものでしょうか。

ふとした疑問を取り上げればキリがないです。
放送業界の構造的な問題があるとのことですが,関西テレビの再発防止策の取り組みが構造そのものを変えるだけの効果があるのかは疑問です。
また制作過程をチェックするための体制は現在のお金の流れで担保されるのでしょうか。
今回の放送を見て,市場原理の持つ効率性と,科学の持つ信頼性とがあまりなじまないのではないかと感じました。
利益を出さなければいけない構造の中では,安全や信頼は切り捨てざるを得ないのが現状なのではないでしょうか。

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最終更新日  2007.04.08 12:57:57
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