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テーマ:お勧めの本(7385)
カテゴリ:音楽・テレビ・映画・小説
フィリップ・ディック(1992):アンドロイドは電気羊の夢を見るか?早川書房. SF映画で人気のブレードランナー原作です。 原作は1968年刊行で,1982年に映画化されました。 ブレードランナーを見てはまってしまったので原作も読んでみました。 ブレードランナーでは人造人間のことがレプリカントと呼ばれていましたが,小説ではアンドロイドと呼ばれています。 火星でこき使われたアンドロイドが人間の復讐を企てるために地球にやってきます。 主人公はバウンティ・ハンターと呼ばれる賞金稼ぎで,アンドロイドを殺すことで賞金を稼ごうとします。 アンドロイドか人間かを見極めるために検査キットをいつももっています。 でも,読み進めていくうち,登場人物の誰が人間で誰がアンドロイドか混乱してきます。 アンドロイドが人間と姿かたちがまったく同じだとしたら,彼らを区別する基準は何なのだろうと考えさせられます。 あとがきにもありましたが,原作者ディックは,その基準は「親切さ」だと言ったそうです。 親切であるかどうかが人間とアンドロイドを分ける基準だということです。 それは思いやりや愛情などの感情をもっているかどうかということだと思います。 サルやチンパンジーにも親子愛や仲間意識とかあるかもしれませんが。 一方で,肉親や大切な人をそのときの高ぶった感情で殺めてしまうような凶悪事件を連日聞かされると,人間らしさがどんどん失われていっているような気がしてなりません。 憎しみの感情は,アンドロイドが火星で人間たちに重労働させられていることから来る感情と同じなので,アンドロイドと大差ないように思えます。 憎しみは愛情の裏返しといいますが,本当にそうなのかな。 親が我が子に対して向ける愛は,理屈抜きのものだと思いたいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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