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2014年08月31日
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カテゴリ:漫画・アニメ

★ 『 ヴィンランド・サガ 』 幸村誠 (2005年~)



レンタルコミックにて、既刊14巻 読了。


『 プラネテス 』 (2011.10.11.の日記) の作者が手掛ける歴史フィクション。

11世紀初頭の北海周辺を舞台に、当時、権勢を誇ったヴァイキングの生き様や、デンマークやイングランドの覇権争いを、実在のアイスランド人の冒険者 (ソルフィン・ソルザルソン) の生涯を軸に描く。


『 プラネテス 』 もそうだったが、とにかく、作画には手抜きがない。 背景はかなり写実的だが、人物は適度に漫画的で読みやすい。 描画がキッチリしているだけに、アクションシーン等の表現に、たまに 「あれ?」 と感じることが無くもないが、気になるほどではない。


最近の私の漫画の読み方は、半身浴中や移動中などに限り、せいぜい1日 2冊位なのだが、この作品は、読み出したら止められない面白さがあった。


中世の北欧の歴史は、私も含め、一般的に日本人には馴染みが薄いと思うし、ヴァイキングが海賊集団という認識位はあるだろうが、詳細まで知る人は少ないと思うので、巷に溢れる子供向けの 「海賊もの」 の類か、という軽い意識で読み始めると、ちょっとショックを受けるかもしれない。


主人公ほか、当時の王族など、数人の実在の人物が登場するとは言え、主人公の生い立ちからして、細かいところが ほぼフィクションであろうことは明白で、異常に不死身な一部の戦士たちの、 「あり得ねえ」 感が満載な戦闘シーンは、いかにも青年向け漫画のお決まりパターンだ。

それでも、漫画的に誇張していると分かってはいても、前半の 「戦士編」 での、容赦のない淡々とした残酷な戦闘、殺戮描写を繰り返し見せつけられるうち、ふと、当時の戦士たちの、「単純無垢さ」 に気付かされて、慄然とする。

殆どの場合、闘うことに大義名分や明確な目的など無く、ただ闘う為に生き、その虚しさに気付く前にバタバタと死んでいく。

史実はともかく、人間の本質に関しては、かなり真理に近いものを描きだしているような気がしてくる。


14巻 費やして、これからやっと、主人公の史実に基づく半生記に入るのか?…という様相だが、主人公の成長、「生きる理由」 を見つけることに、やたらと時間をかけたあたり、 『プラネテス』 とコンセプトは似てると言えるかもしれない。


それにしても、法律規範も宗教も未発達な中世の時代には、暴力を振るったり人を殺すことに歯止めがなかったも同然だったのだろう…ということは、知識として分かってるつもりでも、こう詳細まで描写されると絶望的な気分になってくるのは、私が女だからだろうか。

当時の男たちにとっては、 「闘わない」 ことや 「(食料・金品・女性等を) 略奪しない」 ことの方が、純粋に不可解なことだったのか…。


いや、最近のシリアにおける過激派集団 「イスラム国」に、シリアと直接関係ない欧米の若者が参加してテロ行為を行っているという話を聞くと、宗教とか道徳とか発達したかに見える現代ですら、ただ 「暴れたい」、 「殺したい」 だけが動機で戦争に参加する男が多数存在することに 暗澹たる気持ちになる。

極論かもしれないが、こうした男達が存在する限り戦争はなくならないし、かといって、闘争心のない草食男子が増えれば、少子化は加速化する。 どちらにしても、人類は結局、いつか自滅する生き物なのかな…と思ったりもする。





<関連日記>

2011.9.29. 宇宙ゴミ(スペースデブリ)と言えば、やっぱり、『 プラネテス 』


2011.10.3. 『 ダーウィンが来た! 』・・・人類が淘汰される日


2011.10.11. 若者特有の怒りとは・・・漫画版 『 プラネテス 』












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最終更新日  2016年10月10日 23時33分57秒
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