ざわつく夜空に
夜空がざわついているのがわかる。
春には
誰にも古い傷のような
記憶がある
痛みなどない
ただただ古いだけの事実が
証のように刻まれていて
その光景は、
昨日のおかずよりくっきりと覚えている。
振り返ったとき、
人生の柱みたいなことが多いのが
春のような気がする。
漠然と思うのは
自分が終わるのは桜の季節がいいと。
この歳になって、
人の終わりを見届ける中で思うのは
最期こそ、
氷が溶けるように
小さく小さくなって
終いには風に舞う花弁になって
失くなっていきたいと思う
命のバトンは
3人に繋いだ。
役目を果たしたら
もう消えるように
忘れられるように
そんなでいい。
自分の痕跡は
自分にやりきったと云えたら
それで充分
今まで、
全力疾走で来て、
未だに真っ只中で
そして、
願う最期の為には、
まだもう少し
全力疾走が続く
こんなざわついた夜を
まだまだ幾つか越えるためにも