筑波山名物と言えば「蝦蟇油」(がまのあぶら)。万能を謳う膏薬(…うむ)だが、江戸時代から続く宣伝口上によれば、原料となる油を提供してくれるこのガマは、前脚の指(脚そのものではないよ)が4本・後脚の指が6本の「四六の蝦蟇」ということになっている。
四六・五六はどこで見分ける、前足の指が四本、後足の指が六本、合せて四六のガマ、山中深く分け入って捕えましたるこのガマを四面鏡張りの箱に入れる時には、ガマは己が姿の鏡に映るを見て驚き、タラーリ、タラーリと油汗を流す、これを漉きとり、柳の小枝にて三七二十一日間、トローリ、トローリと煮つめましたるが、このガマの油。
「がまの油」という落語では「二六のガマ」が登場するが、これは酔っぱらいが口上をマネして失敗するという筋立てだから、わざと間違えてある。本物でないから血が止まらないという落ちに結び付いていて、この落語の作者は実にセンスが良い。
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Last updated
2020年04月21日 15時53分29秒
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