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カテゴリ:テレビ
映画は監督によって見ます。黒沢明だから、木下恵介だから、と。
テレビは、脚本家で見ます。倉本聰だから、山田太一だから、と。 その山田太一の作品を昨日、放送していました。 『遠い国から来た男』。 中米の国サン・ハイメに暮らす津山雄作(仲代達矢)が46年ぶりに日本へ帰ってきます。国を棄て、国籍も変えて二度と降り立つことはないと心に決めた日本に足を向けたのは亡き母の墓参のためでしたが、結婚の約束までして離れ離れになってしまった岡野典子(栗原小巻)に一目会いたいと、思います。 会うことで、封印していた過去の思い出が、一度に解かれます。 そのこで、平穏な生活が一瞬にしてざわめき立ちます、その微妙な空気を仲代達矢、栗原小巻、杉浦直樹のベテラン俳優3人がみごとに演じます。 思い出の歌「草原情歌」が、いいところで切なく流れます。 山田太一の作品らしく、会話には奥深いものがあります。セリフがしゃれています。 「ノスタルジーは良くも悪くも独りよがりになるから、なるべく書くまいと思っていたけど、今回は浸ってみた。これは外国生活が長かった男のセンチメンタルジャーニーの物語です」 と、語っていますが、センチメンタルジャーニー、こういう作品もいいです。 封印というか凍結していた若い頃の思い出が、40年もたって解凍されるとしたら、どうなるだろうか。ことによったら、もう一度やり直してみたいと思うかもしれません。 「まだ20年あるから」 良いドラマは、余韻が残ります。 それにしても、最近、やたら、コマーシャル(CM)が多いです。途中でその先の予告を入れてまたCMを入れる、これなんか、作品をぶちこわしです。 また、これは、作品の流れとまったく関係ないのですが、雄作と典子の再会のため走り回る旅行会社の矢川香を演じていたのが高野志穂でした。 2002年のNHK連続テレビ小説『さくら』で主役をしていた人です。 たまたま今BSで再放送していて、『どんど晴れ』もBSで見ていて、その後、これを見ています。『さくら』は高山が舞台で、2002年にも見たのですが、また今回も見ています筋はいくらか覚えている程度です。 見ながら、このさくら役の高野志穂は今、「どうしてのいるのだろうとね」と家で話していたのです。 出ていました。ずいぶんキレイな大人になって。元気でやっていたのだ。外国語うまいなと、なんだか嬉しくなりました。 さて、テレビのことを書こうと思ったのは、実は、最近のドラマ、どれもこれもコミックを原作にするものばかり、ちょっとおかしいよね、とそういうことを書こうと最初思ったのに、見たドラマの話ばかりしています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.24 19:56:36
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