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<高橋尚子 最後の挑戦>下 勝つことで伝えたい
もう陸上はやめよう、と決意した4年前の暗闇に原点がある。アテネ五輪代表から漏れ、相次ぐけがも追い打ちとなった。しかし「頑張れ」の声がつなぎ留めてくれたのだという。 「もらった元気とエネルギーをみんなに返したい。それが一番やりたいことなんです」 勝ちたい気持ちが一番強い者が勝つともいう。だが「わたしは速く走りたいとか、誰かに勝ちたいとか、1番になりたいとか、強いんだって言うためにオリンピックを目指すんではないんです。スポーツ選手としてはおかしな考えかもしれないんですけど」。 独自の哲学はメビウスの帯のようだ。 「『あきらめなければ夢はかなう』ということを、ゴールしたときにみんなに伝えたい。伝えられるのは優勝者だけなので、そのためにわたしは絶対、頑張らなければと思っています」 2005年の東京国際は劇的な復活優勝を遂げ「暗闇の中でも夢を持ち続ければ光が差す」というメッセージを体現した。しかし、翌06年の東京国際は大失速。美しい結末ばかりではない。わざわざ重荷を背負い込んではいないか。 語気が少し強まった。「伝えたい気持ちが、わたしが走る原動力であり活力なんです。目標がなければ活力って生まれないですよね。一番の目標が伝えることなんです」 友人とも議論になったという。「『Qちゃんが自分のために頑張る姿に人は共感するのであって、人のために走るというのは違う』と。正論かもしれないけど、伝えるために走りたいという気持ちが、どうしてもわいてきて…」 夢の実現は、それぞれ夢を秘めたライバルたちとの勝負を制することが条件になる。 「夢はかなう」。メッセージを伝えるために優勝を目指す高橋尚子 決戦のときはもうあとわずかです。 ドキドキします。がんばれQちゃん <高橋尚子 最後の挑戦>中 揺るがないプロ意識 <高橋尚子 最後の挑戦>上 思い出の地で区切り ★ スポーツニュース ★ ★ 社会問題 ★ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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