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地元紙の一面、最下段にあるコラムの転載です。
髪飾り、耳飾り、首飾り、腕輪・・・。縄文人は五体を装身具で飾るおしゃれな人たちだった。赤や白、緑に黒と、色彩豊かに全身を装い、現代人も真っ青の洗練された美意識を持っていた。 縄文人の装いは今と同様「より美しく」というオシャレへのこだわりとともに、身を守り、集団の中で属性を示す手段でもあった。祈りの儀式では、その美意識に一段と磨きがかかり、翡翠や琥珀で飾り立てた。 化粧はもちろん、顔に文様のある鯨面(入れ墨)土偶も、多数出土。下半身の装いも腰飾りから足輪、履(くつ)に及ぶ。「空間恐怖症とでもいうべき、過剰に飾り立てを好む人々(小山修三著『縄文学への道』だったようだ。 その素材は、翡翠などの宝石をはじめ、石、貝、動物の骨や牙など多岐にわたる。翡翠は新潟県糸魚川産、琥珀は千葉県銚子産のように、遠隔でも”ブランド”にこだわって入手。装いのためには労を厭(いと)わなかった。 土偶の髪形は、長い髪の毛を頭頂部で一つに纏(まと)めたり、三つ編みにしたり、さまざま。モンゴロイド系の豊かな直毛で髷(まげ)を結い、赤い漆塗りの竪櫛(たてぐし)や乳白の鹿角(しかづの)の簪(かんざし)などで留めれば、黒髪に美しく映えたに違いない。 耳飾りは耳朶(耳朶)に穴を開け、土製の飾りを、徐々に大きなものにはめ替えていった。祈りを込めた縄文の美意識には、現代人はとてもかないそうにない。 『装い 身を飾る人びと』が、11月28日まで、八戸市の是川縄文館で開かれている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.11.16 11:27:01
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