四月文楽「六代豊竹呂太夫襲名興行」に行ってきました。
たくさんのご祝儀袋が飾ってありました。知らない人ばかりでしたけど、ひとりだけ、落語家の桂南光さん!南光さんは呂太夫さんに義太夫を習っているのです。
「菅原伝授手習鑑」は、歌舞伎では数回見たことがあるのですが、文楽では初めてです。初演は文楽だったそうなのですが。
寺子屋を開く源蔵は、主君菅原道真の息子を救うために教え子を身代りに殺すことにする。「せまじきものは宮仕え」という有名なセリフがでます。また、源蔵がそうするだろうと予想して、松王丸は自分の息子を寺子屋に入れるのです。
これまで、子供が親の犠牲になるのがどうも納得いかなくてあまり好きでなかったのですけど。何度か見ているうちに、だんだん好きになってきました。自分で判断できない子供が犠牲になる、それも首を切られるのはすごく嫌な感じ。そう思いつつも・・・とても感動しました。現代になっても上演され続ける作品というのは、さすがに見る価値があるのです。理不尽とは思っても、忠義に縛られたそんな生き方しかできなかったのですね~。
先日読んだ桐竹勘十郎さんの本によると、このチラシ写真にある松王丸の人形は非常に重くて、体力がないとやっていけないそうです。いかにも重そうな衣装を着けてますね。
文楽の襲名興行や口上初めてで、歌舞伎ほど華やかさがないのがいかにも地元の芸能という感じで、とても面白かったです。呂太夫さんは6代目なのですが、先代は2000年に55歳で亡くなった方で、ハンサムでモデルや俳優の仕事もしたとか。全然知りませんでした。その人を見たかったなあ。
きょうはNHKのカメラが入っていたので、たぶん「にっぽんの芸能」か「古典芸能への招待」で放送されると思います。