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カテゴリ:ハノイ旅行
☆東京の大学を出て関西の大手メーカーに就職し、奈良県は大宇陀の旧家の婿養子となった伊佐夫。特筆すべきことは何もない田舎の暮らしが、ほんとうは薄氷を踏むように脆いものであったのは、夫のせいか、妻のせいか。その妻を交通事故で失い、古希を迎えた伊佐夫は、残された棚田で黙々と米をつくる。 ☆
奈良の農家でひとり暮らし、米を作る老農夫伊佐夫。妻は事故で16年植物状態のまま亡くなり、折々に妻を思い出すのだが、その妻は不貞を働いていた。米作りの作業をひとつひとつ丁寧に描いているのですが、自分は何一つしらないことばかり。上巻ではそれほど大きな出来事は起こらないので、ちょっと退屈ではあるけれども、圧倒的なリアリズムで農夫の日常を描いているので読み続けられ、その筆力に驚かされます。さすが、高村薫。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.09.07 12:50:58
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