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テーマ:イタリアワイン大好き!(738)
カテゴリ:プーリア州のワイン
昨日と一昨日で、イタリアワインスクール「ヴィーテ」中級編の
プーリアワインをご紹介しましたが、今回は3人の受講生の方から ワインとチーズの差し入れをいただきましたので、ご紹介したいと 思います。 まず、このワインはプーリアワインの金字塔といえる作品ですね。 このワインの95年ヴィンテージをお持ちくださったのは、YMさん。 いつも有難うございます!! プーリアワインが国際的な視線を浴びるようになったのはこのワインが 最初なんですね。サリチェ・サレンティーノのリーダーである コジモ・タウリーノ社の作品で、葡萄を過熟させて収穫して バリックで熟成させたワインです。 今から14年前のヴィンテージになるわけですが、抜栓前は 一抹の不安を感じていました。例えば、カラブリアのガリオッポも そうなんですが、瓶熟成がかなり早いんですね。 つまり質的な最高地点に達するのがとても早く、落ち始めるのも 結構早いのが南イタリアの気候を反映したワインのひとつの 特徴だと思うのですが、14年でも十分に酸化してしまっている のではないかと危惧したのですが・・・・完全に杞憂でした。 色からして非常に紫色がかっています。活き活きとした酸を 強く持っています。 それでいて香りは、レザーやタバコのニュアンスをわずかに 感じるものの、それよりは若々しい酸が生きている果実の 香りとスパイシーの見事なバランスと一体感がありました。 まずは美味しい!そして細かい検証をするとさらに素晴らしい! と思ってしまうワインだと思います。 タンニンの木目の細かさ、深く刻印する粒子の深さ、それで いて刺を感じさせず、味わいの立体図を大きく感じさせる アルコール! このワインを飲んで、僕としては、プーリアワインで今最も ポテンシャルの高い葡萄品種はネグロアマーロではないかと 思いました。素晴らしいワインを有難うございましたYMさん! そして二本目の差し入れワインはMOさんからのデザートワイン。 ヴィン・サントです。 90年ヴィンテージというのでワクワクしてきました。僕が ワインの勉強をし始めた頃にビッグビンテージとして ピエモンテでもトスカーナでも非常に評価の高いヴィンテージ として有名でしたから。 色はもう琥珀色をしっかりと持っていて、熟成の関係からか やや白濁した感じがありました。 香りは、見事な酸化香です。マルサラ、シェリーにも似た しっかりとした奈良漬香です(^^)でも、このワインが デザートワインとして偉大なのは、やはりまったりとした 果実がしっかりとその酸化香を名脇役にしているから、 つまり主役のポストを渡していないからですね。 ドライにしたイチジクや干し柿、それに余韻のアーモンド香も 素晴らしかった。 長期熟成のせいでしょう、どしっと来る思い甘みがほとんど ないんですよね。もちろん甘口には違いないのでしょうが 辛口っぽい、後味のすっきり感があるのです。 このワインに合わせてMOさんはカントッチもお持ち下さった んですね。本当に素晴らしい!!トスカーナにおいては定番 ですよね。 アーモンドの余韻を持つワインにアーモンドのお菓子です。 香りが一体となって膨らんでいく様はちょっとうるっと 来るくらいです。 そして、今回新しい発見だったのがフランス帰りのTNさんが お持ちくださったチーズ「エポワス」です。 フランスのブルゴーニュ地方のウォッシュタイプのチーズで マール(イタリアで言うグラッパ)で洗いながら熟成させた チーズ。 僕の最も好きなチーズの一つです。 このチーズがヴィン・サントに合った! おそらくヴィン・サントの甘みが控えめだったがために チーズの質感にしっくりと来たんだと思います。これがしっかり とした甘口なら、ウォッシュタイプの繊細で複雑な香りは どこかに飛んでしまいかねませんから。 ヴィン・サントのアーモンド香がチーズのナッツのような 熟成香と重なり合って、かなり艶かしく共鳴しあって 感動的ですらありました。 それにしても、チーズとワインの相性・・・しかも デザートワインとチーズとの相性に目覚めたヨーロッパ人 というのは、なんちゅう変態、あ、いえ、偉大なのかと 思います。 こういう味覚的快楽の世界がどんどんと深まってしまう ことに抗う必要など何もないはずなのですが、近頃の若者が 別に何でもないようなことに「やべえよ!」という 次元とは宇宙規模的な乖離を持って、「やべえよな~」 と感じてしまいます(^^) 改めて、MOさん、TNさん、そしてYMさん、どうも 有難うございました!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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