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テーマ:イタリアワイン大好き!(738)
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タスカ・ダルメリータでの素晴らしいランチタイム後
約1時間半ほどでエンナの街に到着しました。 エンナはシチリア島のちょうど中心点にあって、 シチリアのへそ と呼ばれている街で、その標高はイタリアでもっとも 高い県庁所在地で、中心地で930m、一番高いロンバルディア 城塞で991mと言われています。 シチリアの内陸部って、どうしても貧困とか過疎という イメージがあるんですけど、そして僕が23年前にバックパッカー として初めて訪れた時も、全くそんなイメージで物悲しい感じ がしてたんです。 でも、今回はその天候の悪さに反して、とてもポジティブな 印象を僕は持ちました。 まず夜に行った、街でもっともメジャーなリストランテ 「リストランテ・チェントラーレ」 テレビなんかもついてたりして非常に庶民的!シチリア料理と エンナ料理の共存といった風情のメニューで、僕はもちろん しっかりエンナ料理を頂きました。 そろそろ胃腸系に疲れを感じだした旅行メンバーの皆さんは ミネストローネを取ったり、適度に自己調整されていました。 これはマッケローニ・アイ・サポーリ・ロカーリという パスタ。 トマトベースのマカロニでズッキーニや香草が入っています。 たっぷりとかかっているのは、おそらくグラナ・パダーナかの いわゆるパルメザン系のものでしょう。ペコリーノなどの 強い個性は感じませんでした。 これはセコンドで取ったコントロフィレット・アッレンネーゼ cotrofiletto all'ennese サーロインステーキですが、トマトやアーティチョークや小玉ねぎの ピクルス、ベーコンのソースがかかっています。 肉そのものは脂身もしっかりしてて非常にヘビーなのですが 野菜ピクルスのさっぱりしたソースが中和してくれます。 これは出色の味でしたよ。流石は内陸のシチリア! 次の日の朝は、街を徘徊しました。天気は昨日同様に曇り時々 にわか雨っぽい感じで、晴れやかさはありませんでした。 でも、丘の中腹にある街らしく、起伏に富んだ地形にリズミカルな 配置で教会などがあって、楽しく歩きました。 上の写真、まるでパレルモのエレミティ教会のような モスクを利用した丸屋根ですね。 エンナでは唯一アラブ統治時代を物語る史跡です。 パレルモの場合は、メンテナンスが行き届いていますが エンナは財政事情、よろしくないのでしょうか。 放置されると文化遺産もこうも荒廃してしまう一例 ですね。 丘の頂にある街には良く見受けられる都市設計ですが カーブ状に伸びる道の節々にリズミカルに教会が建てられて いて、独特の景観を生んでいます。 フィアット500(チンクエチェント)の正しい駐車方法(^^;) シチリアには旧チンクエチェントが健在ですね。喜ばしいこと です。 ムニチーピオ=市役所です。 こちらはムッソリーニ時代のファシズム建築です。イタリアには この手のファシズム期の建築物が多く残っています。 ホテルの部屋のバルコニーからの景色ですが、小学校が ありました。 イタリアではこの手の古い校舎、おそらくは数百年を 遡ることのできる構造の校舎が一般的だと思います。 そのホテル向かいにあったポリカリーニ宮殿です。 ゴシック・カタロニア様式と呼ばれる特有の建築スタイル で右奥に伸びる階段が特徴的です。 私有物でしたので、門からすこしだけ入って、見学させて もらいました。 エンナのドゥオーモです。 外観はごつごつとした印象ですが、内装は非常に活気ある バロック様式でした。 前日の夕刻にも訪れていたのですが、その時は一人の、僕と 同い年ぐらいの女性が一人、静まり返った教会内で祈りを 捧げていました。 何気なく近づいたときに、しくしくと泣いているのに気付いて 静かに遠ざかりました・・・。 まさに神にすがっていらっしゃった・・・。 エンナ一番の観光名所カステッロ・ディ・ロンバルディアです。 シチリアの中心地であり、高台にある街ですから、そこからの 眺望は、今であれば「風光明媚」で親しまれましょうが、当時 つまりローマ帝国瓦解後の中世の乱世時なら、一大戦略拠点で しかなかったことでしょう。 ロンバルディアは今ではミラノを中心とする北部イタリアの 名前ですが、つまりは「ランゴバルド族」=北欧ゲルマニアの 蛮族の名前ですものね。 エンナから美しく見えるカラシベッタの村です。 この時は曇っていましたが前日の夕刻時の景色は本当に 綺麗でした。 エンナの街です。カラシベッタに比べるとやはり都市ですね。 高台からずっと降りて来た中心街にあるサン・フランチェスコ会の 教会です。こんなスタイルのサン・フランチェスコ教会って珍しい ですよね。 次なる目的地「フェデリーコ2世の塔」を目指して歩いています。 ロンバルディアの城塞から一度丘を降り切って、また別の丘の 緩い傾斜を登っていきます。 それだけでもワクワク感があります。 小さな広場に噴水がありましたっけ? そこに教会が並んでいます。 何気ない街の風景ですが、独特のリズムを感じます。 道を歩くその時間がひとつのストーリーのような気さえします。 またも、チンクエチェント!健在です!! シチリア、いえ南タイリアの歴史を振り返った時欠かすことの できない主人公の一人である神聖ローマ帝国&シチリア王の フェデリーコ2世の塔です。 彼はもちろんドイツ系の血をひいていたわけですが、イタリアで 生まれ(マルケのイエジでの公開分娩!!)、シチリアと 南イタリアをこよなく愛した、時代を数世紀も先駆けた、 ルネッサンス的であり、絶対君主的な王でした。 これも何気ない要塞としての塔に見えますが、実は南イタリアの プーリアの世界遺産、カステル・デル・モンテ同様に八角形で 天文学を愛でることのできた塔だったということです。 塩野七生さんの「絵で見る十字軍物語」でも触れられていますが 無欠で聖地奪還を果たした唯一の王ですから、熱血漢のクリスチャン からは冷淡に扱われてしまようですが、断じてシチリア史、いえ イタリア史、あるいはヨーロッパ史におけるヒーローの一人と いえるでしょう。
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Last updated
2010/11/05 04:30:47 PM
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