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テーマ:イタリア関係の本(58)
カテゴリ:ラツィオ州のワイン
道路が国土の「動脈」であることは、今日なら誰もが
知っている。だが二千三百年の昔、それを分かって いたのはローマ人だけであった。 建国当初からあった街道としては、塩の道という名の ヴィア・サラーリア。そしてローマ人の祖先の地である ラティーナに続く道としてヴィア・ラティーナが存在 していました。 紀元前312年を境にこの二本しかなかったローマ街道が 一気に増えて行くことになるのですが、今日はこの 「塩の道」ヴィア・サラーリア沿いのワインについて 触れてみましょう! この街道は、建国当初というよりは、建国前からローマ人の 手で造られたのではなく、内陸の民だったサビーニ族が テヴェレ川の河口付近から塩を運ぶためにできた道で 元々ローマの建国もこの塩の交易が原点だったとする歴史家 もいるくらいに重要な道だったと言えます。 そのサラリア街道はアドリア海にむけて延長されていくことに なるわけですが、ローマから順順にその経路のワインを 辿ってみましょう! 上の地図の灰色の、ローマからアドリア海にほぼまっすぐ 抜けているのがサラリア街道=ヴィア・サラリアです。 まずローマを抜けてすぐ北にあるDOCが ビアンコ・カペーナDOC です。カペーナ村周辺の丘陵地でできるマルヴァジアを主体に トレッビアーノなどがブレンドされる白ワインの産地です。 さらに北上するとヴィア・サラリアは、リエーティ市の 街中を通るわけですが、その西に広がるDOCが コッリ・デッラ・サビーナDOC です。これもビアンコで、ビアンコ・カペーナと違うのは マルヴァジアの種類が、マルヴァジア・デル・ラツィオで 指定してあることですね。 実は、このDOCの資料を良く見てみると、まだ実効されて いないDOCですね。官報で正式に発効されていません。 できたてのホヤホヤのDOCですから、やはりマルヴァジアは 「カンディアかプンティナータかデル・ラツィオのどれか」 ではなく、「デル・ラツィオを50%以上」なんです。 つまり、ビアンコ・カペーナは70年代に認定されたDOC ですが、40年の年月を経て、マルヴァジアという葡萄は このゾーンではデル・ラツィオが一番適しているという ことが分かってきたのではないかと思います。 それで、楽天ショップを覗いてみるわけですが、双方のDOC ともに取り扱いがないですね。 僕も輸入されていると言う情報、聞いたことないです(^^;) この地方の白ワインなら、フラスカーティがありますし それ以外でもローマの北部ではなく、南東部のカステッリ・ ロマーニ地方のDOCの方が、はるかにメジャーですから。 しかもセパージュ的にもほとんど違いがありませんから(^^;) でも、ローマに住んでいた僕としては、この辺りの実に平凡な ワインが今飲みたくて仕方ないです。 たいして美味しくないんだろうと思うんですけど、地元の これまた洗練されない料理と合わせると抜群に合うワイン(^^;) あ、でもオリーブオイルだと結構優秀なものも出来ているようです。
オリーブオイルならDOP認定の立派なオイルがある! さすがです。ワインならあまり好んで買おうと思わない 人にもオリーブオイルならお勧めできます(^^;)! サビーナ・・・・つまり、冒頭に書いた「サビーニ族」の 里がサビーナなわけで、王政のローマ人が最初に領土拡張と 「嫁探し」を兼ねてサビーナの娘たちを集団略奪した サビーナ戦争が有名です。 また、今のイタリア人の名前でもポピュラーな、男なら クラウディオ、女ならクラウディアという名前も元は このサビーナの貴族クラウディウス家で、ローマ帝政期 初期の皇帝を輩出しています。 このヴィア・サラリアが育んだ歴史の一端と、ワイン (輸入されていないのが残念!)、そしてオリーブオイル の現在の共存は、素晴らしいですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011/02/24 09:29:40 PM
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