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ヴィーテ・イタリア高岡(Hiruccio)のイタリアワイン&主夫日記

ヴィーテ・イタリア高岡(Hiruccio)のイタリアワイン&主夫日記

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http://buycialisky.com/@ Re:納豆の味に思う。(05/31) cialis kopen in europatestimonials viag…
2012/02/24
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4. 「伝統と言えば、ジャコモ・コンテルノがいるけど、どう思う?」と聞くと
「まずワインを評価する上で一番大切なのは、そのワインをブラインドで
評価することだよ!」と前置きして、

「最近、生産者たちを中心にして、バローロの品評会をしたんだ。
15種類ほどのバローロがあって、その中にジャコモ・コンテルノの
モンフォルティーノがあった。勿論皆ブラインドでテイスティングした
んだ。

そしたらモンフォルティーノ、何位だったと思う?

見事、最下位だったんだよ!!!

ブラインドをはがした瞬間、みんな騒然として両手で
     頭を押さえて "そんなはずない!偉大な
ワインじゃないか!"って大騒ぎしたよ!!」


僕は、あり得そうな話だと思いながらも、込み上げてくる笑いを抑えることが
できませんでした。というのも、何度かモンフォルティーノを飲む機会を
もちましたが、まだ「腑に落ちた」ことがないのです。彼らのバルベーラ・
ダルバは僕の中で最高のバルベーラの一つですし、4年前にはワイナリー
にも行って現党首のロベルト・コンテルノさんと
一緒にテイスティングもしたものですが、未だ「分からない」という感覚から
抜け出せなかったので、このような質問をしたわけですが、バローロの
生産者たちをしてこの結果か、と。


天下のリセルヴァ、モンフォルティーノですからね、、、、、、。
ガンベロロッソのダニエレ・チェルニッリなど、「人類が滅びる時に
ノアの箱舟に乗せるべき10本のワイン」の筆頭に挙げたワインですから。

でも、これは決してモンフォルティーノが実は大したワインじゃないと
言いたいわけでも、時代遅れになりつつある味わいだという事を言いたい
訳でも断じてなく、エティケッタ=ラベルは我々を「条件づけてしまう」
ということですね。

ルーカさんも何度も 「エティケッタを見るとダメになる」
l'etichetta ci condiziona. と繰り返していました。


5. 同じく、「ロッケ・デッランヌンツィアータ」(baroloの中でも非常に
エレガントなバローロができる有名なクリュの名前で、ガリアッソ社の
3つあるバローロの一つ)のだけのテイスティングもその生産者が集まって
最近行われたそうです。

ルーカさんがとても生き生きした目で語っていたのは、その品評会で
ガリアッソのバローロが名だたる大御所ワイナリーを押しのけて堂々の
3位になったことと、

「僕が何よりも満足しているのは、自分のワインに僕自身がネガティブな
   評価をしたことがないことだよ!」

やはりここでも、ブラインドでテイスティングすることの大切さを感じます。
これこそが「正当」で「フェア」なやり方だからこそ、反省をしたり自信を
もったりすることに意味が出てきます。


6. 「ビオワインについての考え方は?」 と問うと

「うちは、ビオと認定されていないけど、化学肥料や除草剤は一切使わないし
天候条件さえよければ、一度も農薬散布をしないで済む時だってあるくらい
だよ。最近でも何度かのヴィンテージは散布なしで収穫できたくらい!」

「 ビオであるのとないのとでは、出来上がりの葡萄にどんな差がでるの?」
と問うと。

 「何も出ないよ!」

「マ、マジで!?」

「ああ、何も出ないさ。でも、如何に人体に影響が出ないと言われても
"鉛"が自分の葡萄に撒布されると思うと嫌じゃないか!」

知ってるかい?ビオ指定のワイナリーでもヘリコプターで数回の
農薬散布は認められてるんだよ。それで、ヘリコプターでかなり
高いところから撒布するんだけど、鉛の濃度が空気中で高まる
   って話だよ。」


ビオワインって、流行っているらしいんですが、「ある程度安心できる
が、ワインの質とはあまり関係がない」ぐらいの認識で良いのでは、
と改めて思いました。

本当に質を重視している生産者は限りなく有機的ですし、「ビオ」を
売り上げ目当てに振りかざすこともないですから。


一方、「ビオ」「有機」をやたらと振りかざす生産者は、あまり僕は
信頼したくないと思いましたし、今後そう遭遇することもないと
思っています。

もちろん質的に好きなワインがたままたビオであれば、それはそれで
良し、ですけど。

ルーカさんはビオワインにありがちな独特の動物臭について
「クリーンな醸造をしていないだけ!」と一蹴していました。

最近このネタを持ちかけた時のトスカーナの醸造家アルベルト・アン
トニーニ氏、エミリアのメディチ・エルメーテ社のアルベルト・メ
ディチさんなども全く同じ言葉で批判していたのを思い出します。


7. 彼のドルチェット・ダルバは、クリュ=単一畑のドルチェット
なんですが、その名前が ciabot russ チャボット・ルス というのですが
この意味を尋ねました。

「ランゲを訪れたことがあるなら、葡萄畑の中に点在する小さな納屋
みたいな小屋に気づかなかった?あれがチャボットだよ。

昔は農耕器具の収納や耕作馬などを雨の時なんかに避難させたりして
使っていたものだけど、ウチのチャボットはレンガ造りで赤みがかって
いたからチャボット・ルス、つまり「赤いチャボット」という名前に
   してみたというわけさ。

今はもうなくなっているけど、そのうち建て直して、ドルチェットや
ネッビオーロのエティケッタにそのデザインを入れたいね。」


8. 「醸造コンサルタント」との関係は?

「とても大切なものだよ。気候が落ち着いている年はいいが
イレギュラーでどう対処したら良いか分からない時が僕たち
家族経営のワイナリーには案外多いものなんだ。

そんな時彼(モリーノ・セルジョ氏)は的確なアドヴァイスを
  くれるからね。

零細ワイナリーにとってコンサルタントは安心を
手に入れるためにも不可欠だと思う。」


9. 最後に「何か挑戦したい新しい試みはある?」

「スパークリングワインとかデザートワインとか可能性は排除しない
けど、今は自分自身のスタイルで始めたシャルドネの質を高めたいと
思う。

外来品種は、父が90年代に植えたシャルドネで十分じゃないかと思う。
土着の白葡萄でアルネイスとかファヴォリータとか全然考えないね。

白ならシャルドネが、僕の好きなスタイルでできる唯一の白葡萄だと
信じてる。」

「赤に関しては、これ以上のことは考えられない。国際品種なんて
論外!ネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェットに磨きをかける
以外に何をするというんだ?笑」


伝統を重んじつつもシャルドネはやる!この強い意思表示に僕は心から賛同
したいです。


彼のような、生粋のランゲ人と話していると狭義の「伝統」と「革新」の
議論がどうでも良いというか、我々消費者側の呑気な議論に思えてきます。

彼らは、自然という大海原で「質の高いワイン」と「自分たちのスタイル」の
せめぎ合いを常に闘い、そしてマーケティング戦略という切羽詰まった状況にも
対峙しなくてはいけない所で生きているのだと思います。

ルーカさんのガリアッソ社は、これを4人の家族で乗り越えて行くのですから
これは凄いことです。


彼と話した時間で、自分がワインを勉強し始めた頃の新鮮な気持ちを
思い出していました。ランゲ地方に対する畏怖の念を胸に彼のワインを
ご紹介して行きましょう!






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Last updated  2012/02/27 11:37:18 AM
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