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東京今昔物語  (写真の世界 http://wakowphoto.world.coocan.jp/ より)

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2009.02.12
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カテゴリ:平成
東京スカイツリー工事現場-01D 0902qtc

新しく建てられる東京タワーの名称が「東京スカイツリー」に決定したと昨年報じられました。現在の東京タワーは1958年(昭和33)に電波塔として芝増上寺の墓地跡に建てられましたが、それから半世紀経って、それでは間に合わなくなり、もう一本の電波塔が必要になったと云うことです。

海外の首都の電波事情がどうなっているか不案内ですが、東京圏の電波需要はそれだけ急成長を遂げているのでしょう。それにもう一つ、東京の高層ビル建設が急増し現在の塔では高さが足りなくなり、電波の伝達に支障が生じているので改善が迫られている事情もあるのでしょう。

現在の東京タワーは形態がパリのエッフェル塔に似ています。パリのエッフェル塔が建設されるとき、これは伝統的か、街の美観を損なわないかパリ市民は大いに議論しましたが、当時の東京都民は美観について、これはパリの物真似だ、日本的でないなどと、余り議論をしませんでした。

とにかくテレビ放映に必要なのだということで実用優先で急ぎました。また塔の高さが当時世界一ということが自慢で余り姿形を気にしませんでした。

今回の「東京スカイツリー」についても、美観の話題は余り聞かず、話題を賑わしたのは場所の選定と、塔のネーミングでした。塔の建設位置やその形態が都市の美観にどういう影響があるかという議論は問題になりませんでした。

電波塔の場所の選定は、狭い東京都市内に適地はあるのか、必ずしも東京都市内に拘ることは必要ではないとの議論は聞きましたが、結局は用地確保の容易さが決め手になったようで、隅田川近くの押上に決まりました。

確かに塔の建設用地の確保は容易ではありません。しかし、電波という公共物を東京都民に満遍なく届けることが最優先の施設ですから、新しい電波塔の建設場所はその点をもっと議論して欲しかったと思います。

東京の人口の重心(人口分布の最も多いところ)がどの辺にあるか、今後の人口移動の動向はどうか、などを論じて場所選定の議論をして欲しかったです。東京の人口の重心は明らかに下町から山の手に西進しています。東京都庁舎が東京駅から新宿駅方面に移転したのは、人口の重心移動を追認したものです。

更に、電波塔は巨大な建造物ですから、その形態が都市空間にどのような影響を与えるかも議論して欲しかったと思います。東京港へのレインボーブリッジ、横浜港へのベイブリッジが如何に都市景観にプラスしているかを考えると、その検討が殆ど聞かれなかったことは残念でなりません。

東京スカイツリーは高さが600メートルを超える長大なものですから、もし都市中心部に建つとなれば、山手線沿線に続々と起ち上がっている超高層ビル群との関係で都市の美観が論じられることになったでしょう。

しかし、今回決まった建設予定地は東京都市部の東北の端ですから、巨塔は都市中心部から孤立した形になり、都市空間の造形を論じるのはいささかピントが外れてしまいます。むしろ電波塔そのものの形態を議論することが中心になったでしょう。

聞くところによりますと、構造的には五重塔をイメージし、中心に一本頂上までの柱を伸ばすことで耐震性を高めて、構造物の土地使用面積は高さに比べて極めて少なくするそうです。従って、現在の東京タワーに比べて、ずっと用地節約型の塔だそうです。

新しい電波塔のネーミングについては公募を行い東京スカイツリーと決めましたが、肝心の塔のデザインについては、公開ヒアリングや設計コンペを行わずに、専門家だけで決めました。

とにかく現状で一定範囲に電波が届けばよい、塔の建設会社と利用者のテレビ会社の採算がとれればよいというのでは、安易な結論でした。

事業主体が東武鉄道が出資する私企業だからというのがその理由だそうですが、電波塔は公共的建設物ですから、たとえ民間プロジェクトであっても、世界のデザイナーに門戸を開げて、最高のデザインを求めるべきでした。

都市景観を美しくすることに、日本国民も日本政府も関心が薄かった時代が続きました。その結果、東京の都市美は著しく低下しました。巨大建築物は造り直しが困難です。新しく建造するときに、実用性だけでなく、美しさを求めて投資をすべきだったと繰り返し悔やみます。

これ以上の議論は東京スカイツリーが出来上がったときに致しましょう。さすが日本のデザイナーは素晴らしいということになるかも知れませんから。

写真は、東武伊勢佐木線の業平橋から見た東京スカイツリーの基礎工事現場です。
(以上)





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Last updated  2009.02.12 09:56:53
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