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カテゴリ:平成
![]() 写真1 ![]() 写真2 ![]() 写真3 ![]() 写真4 皇居の内濠をランニングする人々は、排気ガスにもめげずその数は減りません。理由は安全に走れる5キロ余りの歩道が皇居を巡っているからですが、特に都内では珍しく走るコース沿いに水と緑があるからです。 江戸時代には水の都といわれた東京も、関東大震災と東京大空襲の後、水路が廃棄物処理場として使われ、外濠は殆ど埋め尽くされました。今は皇居のお濠と言えば内濠です。 その内濠で何処が一番美しいと思いますか? お濠の表情は、その周辺の石垣や土手の松や草花で変わります。更には、皇居の外のビル街との関係でも変わります。 皇居の位置は武蔵野台地の東端にあるので、西側が高く、東京湾に面する東側は低くなっています。従って、皇居の西側ではお濠を高い所から見ることになり、東側では水面に近い位置でお濠をみることになります。 先ず、見応えのあるのは千鳥ヶ淵です。ランニングコースから外れますが、北の丸公園の田安門から千鳥ヶ淵を巡る桜の名所が、お濠を見下ろせる素晴らしい所です。桜のときが一番良いのですが、混み合うのが嫌なら、桜の葉が紅葉する秋もお薦めです。 (写真1) 次に、半蔵門から桜田門へ続く桜田濠が見所です。この辺りは、お濠から外縁の市街へ視界が広がり、お濠の水面も一番広く見えて、多分、内濠の中でここが一番美しく見える所です。お彼岸の頃には土手には曼珠沙華が咲いて、鮮やかな朱の色を添えます。(写真2) お濠と石垣のアンサンブルを眺めるなら、竹橋から北詰橋門の間の平川濠が最高です。関東一帯には築城のための石が少なかったので、家康が居城を築いたとき、わざわざ小田原辺りから大きな石を運ばせた位ですから、江戸城は大阪城に比べて石垣は貧弱です。しかし、平川濠の石垣はかなりの高さがあるので見応えがあります。(写真3) お濠の水面を身近に眺めるなら、日比谷通りに面した馬場先濠と日比谷濠が良いでしょう。皇居内は楠の巨木が濠の縁の並び、日比谷通りには丸の内のビル街が並んでいます。濠を隔てて近代的ビル群と緑の帯が並立する風景は、東京でもここだけでして、世界の主要都市でも余り例はないでしょう。(写真4) どこのお濠が美しいかは人それぞれですが、風景一般がそうであるように、私は高い所から見たお濠が好きです。世界の首都に比べて東京は公園が少ないと云われますが、街のど真ん中に、こんなに起伏に富んだ緑園を持っている都市は珍しいと、自慢できます。 (以上) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.06.20 19:32:01
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