「Covid-19、通称新型コロナウイルス感染症という言葉をはじめて耳にしたのは、2019年の年末くらい、テレビのニュース番組を眺めている時でした」平穏だった日常はやがて逼迫する医療現場に押し流される。混乱する現場、そして新興感染症には常につきまとう医療従事者への差別、自分自身も感染……。Covid-19、通称新型コロナウイルス感染症、その最前線を経験した医療従事者が思いを綴った手記!
「新興感染症はいつも、医療従事者への差別とセットだ」平穏だった日常はやがて逼迫する状況に押し流される……ささくれ立つ心、SNSや報道へのとまどいと動揺、恋人や家族への不安、医療現場の崩壊、そして自身も感染。新型コロナウイルス感染症、その最前線を経験した現役の医療従事者が思いを綴った手記!
本書は、コロナ禍の最中に看護師として医療に従事していた著者による手記。コロナ禍初期、世間の人々から受けた差別、家族に保菌者(注:コロナウイルスは菌ではない)扱いされて看護師を辞めさせられてしまった同僚、次第に形成されていった医療関係者への重すぎる賛辞や過度な期待、そして、SNSで形成されていった共感の輪と、影のようにまとわりついてくる、反医療的なスタンスを持った人々の姿……。これらの現実が、現役看護師としての歩みと共に真摯に綴られ、発言のニュアンス一つで一般の人たちに誤解を与えてしまう恐れや、コロナ禍という未曾有の事態をどのように伝えていくべきかという著者の葛藤が吐露され、コロナ禍の看護師のリアルな心情が綴られています。
【満足度】 ★★★★☆