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カテゴリ:科学談義
カロリンスカ研究所により今年のノーベル医学生理学賞が発表。認められた業績は、胚肝細胞(ES細胞:embryonic stem cells)を用いたマウスへの特異的遺伝子改変の原理の発見とのことです(Nobel Foundation)。
ユタ大学のCapecchi教授、英国カーディフ大学Evans教授、ノースカロライナ大学のSmithies教授と3名に授与となったとのこと。 数年前にヒトのES細胞では、それ自体の倫理的問題やアカデミックでの疑惑など、さんざん騒がれてきたES細胞だけど、そもそも何なのかというと、全能性の細胞株のこと。通常、細胞は受精卵から分裂を繰り返す途中にいろいろな特徴を持った細胞に分化して、様々な臓器を構成するわけだけど、脳細胞は肝臓になれないし、その逆も無理ということになる。このES細胞はどんなものにも分化できるという特徴がある。 彼らはこの細胞を作り出したところから、その細胞を使って、目的の遺伝子を置き換えたり、働きを止めることで、その機能を調べたりすることができるようにしたというのが今回の業績な訳だ。いまだにマウスでしかできないことなのだけど、マウスでは既に一般的な技術になっているくらい普及しているし、それがもとで明らかになった事象も多いし、医学に与えたインパクトは非常に大きいと思う。 普段気にも留めていなかったのだけど、The Nobel Prize in Physiology or Medicine という表現、「and」じゃなくて「or」だったのだなあと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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