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カテゴリ:絶景
その幻想的な風景を見たのは、まだ、青函連絡船が運航していた頃だった。
北東北 その向こうへ -青函連絡船篇- 当時、大学生として過ごしていた福岡から朝の新幹線に乗り、 夏休みを利用して1ヶ月間の北海道周遊旅行に出かけた。 このときは、JRになる直前の国鉄から発行されていた北海道ワイド周遊券なるものを利用したと思う。 生まれて初めての長期間の鉄道旅行の旅であった。 福岡から朝10時過ぎの新幹線に乗ったものの、当時の0系新幹線は今とは違って、 東京まで8時間ぐらいかかったので、東京駅に着いたのは、夕方6時前だった記憶がある。 有楽町で一旦、親戚のおじさんと食事をして、上野駅に移動した。 驚いたことに、出発の2時間ぐらい前なのに、夜行急行「八甲田」の出発ホームには たくさんの乗客が既に列をつくっていた。 当時、夏の北海道への周遊券の旅は大人気だったのである。 EF57-5+10・43系客車 急行「八甲田」 周遊券は自由席だったので座席に座れるか心配だったものの、 なんとか座席は確保できた(友人Mとは隣同士にはなれなかったが) 乗車しても、寝台車ではなく、ただのリクライニングだけの座席で朝まで耐えなければならない。 他の乗客と違って、既に8時間の新幹線のあとである。 若さだけがたよりだった。 なんとか朝、青森駅に到着したもののあまり寝付けなかった。 そこから、青函連絡船に乗ったことで、手足が伸ばせたし、横にもなれたので返ってよかった。 そして、函館に着くと、なんとみんな全速力でホームに走り出した。 特急列車の席取りなのだった。 こっちも負けずに走った。 なんとか座席は確保できた。この1ヶ月間ずっとこんな感じかとうんざりした。 特急列車に乗って洞爺湖の最寄駅の洞爺駅に着いた。 もう、夕方に近かった。 ここまで、福岡から出発して2日間かかった。 そこから、洞爺湖までバスだったが、田舎のバスなので待ち時間も長かった。 (そこが、のんびりできていいんだけどね) そして、バスは夕暮れの洞爺湖のバス停に着いた。 僕たちは湖の方へ向かって歩いた。 そこはリゾートホテルが立ち並び、湖岸が芝生で広々としていた。 霧が湖上に漂っていた。 生まれて初めて湖というものを見た。 波がまったくなく、見たことのない神秘的な風景だった。 今までは、波のある海しか見たことがなかったら、その静けさに感動した。 旅で出会う風景は、その季節、天候、自分の心理状態などによって受ける印象は違ってくるだろう。 しかし、僕にとっては、確実に、この日の洞爺湖の風景は忘れられないものである。 洞爺湖(注:画像は訪れたときのものではありません) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.02.16 00:03:08
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