アメリカ上院栄養問題特別委員会報告書・通称マクガバンレポートという歴史的レポートは、日本以外の先進国が健康政策の原典としています。
アメリカ合衆国政府は1977年に 『 現代病は食生活の間違いで起こる“食源病”である』と断定して、深刻なビタミン・ミネラル不足を世界に警告しましたが、日本だけ無視し続けました。
すでに、77年のレポートで日本のことを長寿食を捨てた愚かな民族として書かれていたそうです。
今ごろ日本食を見直そうとは、日本の著しい遅れぶりがわかりますが、気がついてよかったと思います。
7月14日、国立京都国際会館(京都市左京区)で、食と健康の関係を探る「世界健康フォーラム2003・京都」が開催された。「WHO循環器疾患予防国際共同研究センター(事務局=京都市左京区)」が、これまで研究してきた循環器系の疾患と栄養の関係について広く市民に紹介しようと開いたものだ。このフォーラムの中で講演した女子栄養大大学院の足立己幸教授は、「主食、主菜、副菜をバランスよく食べていた日本は健康水準が高かったが、この伝統的な食事パターンが崩れてきている」と指摘した。
日本食の乱れは、糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病の増加に表れている。これらの疾患は、以前は「成人病」と呼ばれていたが、生活習慣を改善することで予防できることから、「生活習慣病」と名前を改められたのだ。生活習慣病の予防には、適度な運動も欠かせないが、食生活の改善が何よりも重要だ。
足立教授が言うように、日本の伝統的な食事は、栄養のバランスがとれており、必要な栄養素を過不足なく摂取できる。主食であるご飯、麺類、パンは主に糖質が主成分で、エネルギー源になる。主菜である魚介、肉、魚、豆から主に蛋白質を摂取し、副菜である野菜、芋、海草からビタミン、ミネラル、食物繊維を摂取するのだ。このような日本食が受け継がれていれば、生活習慣病がこれほど増加することはなかっただろう。ところが、現代の日本人の食生活は欧米化し、コレステロールの含有量が多い肉類が中心になり、ビタミン、ミネラル、食物繊維が不足している。
生活習慣病は、いずれも動脈硬化につながり、重大な合併症を起こす。予防するために、日頃からバランスの取れた日本食を心がけたいものである。
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