カテゴリ:飲み食い
帰りは晴れるだろうから傘はもたずに行こうと思ったのだが、靴を履いたところでドアを開けていたかみさんが「いま降ってる」と知らせてくれた。 で、折りたたみ傘をもって外へ出る。 雨は植え込みの葉にざぁっと音を立てて降っていた。 傘に当たる雨音も大粒の感じで明瞭だった。 バスに乗るとき傘の濡れっぷりに驚く。 井の頭線に乗り換え、浜田山あたりで見るとそらが明るくなってきている。 どうやら八王子周辺だけで降っていた気配。傘は要らなかったようなものだがバス停までの大粒に抗し得たのは傘があったからだ。 業務が始まるとチームの3人が研修で席を離れる。 その間に決議書の日付変更による再計算依頼が飛び込み、大わらわとなった。 ま、何とか夕方までに完了できたからよかったけどね。 夕方。 銀座へ、田中屋へ。 友人の田島くんと飲み食い歓談。 鮭のはらみを喰い銀だら西京焼きを喰い、合間になめこおろしを味わい、やがて松茸たっぷりの土瓶蒸しとなる。 風味がよいねぇ、やっぱり。 友人は芋焼酎の杯を重ねるがぼくは呑まずに食べてばかり。 そうか、このところ腹の膨らみかたが尋常でないのはそのせいか(!)。 まず吉田修一著『悪人』(朝日新聞出版)が話題に。 映画が評判だが原作のおもしろさが抜群だというのが田島くんの意見だった。ぼくは聞いていて猛烈に読みたくなった。 その理由は著者の吉田修一さんに対する興味関心だろうと思われる。 次いでライトノベルの話が出た。 「ライトノベル」といわれても、ぼくはその意味するところをぼんやりとしかとらえられない。ま、それでも話はわかるからかまわないが。 彼は有川浩の『図書館戦争』がおもしろいんだよとうれしそうに笑う。 さて困った。 ぼくは、有川浩も図書館戦争もわからない。が、わからないなりに記憶し、読もうと答え、きょうパソコンを開いてすぐに調べた。「図書館戦争」で検索すると予期せぬ目立ちかたで大々的に出てきてしまい、何がなんだかわからない。 版元のメディアワークスから検索し直し、ようやく適当な案内ページを見ることができた。 たしかにおもしろそうだ、読もう。 そのつぎに薦められたのが百田尚樹著『永遠のゼロ』(講談社)で、零戦の話だという。 ほお、それはぜひ読みたい。 ぼくが薦めたのは、もちろん伊藤比呂美著『読み解き般若心経』(朝日新聞出版)で、詩人がお経を自分の言葉で訳した本だと話す。 両親の介護をめぐるエッセイが書かれ、お経との結びつきがいかにも自然な流れのなかで描かれていくのだと、まぁそこまでいわないうちに田島くんは「読もう!」と結論づけていた。 もちろん中島京子の作品も薦めたよ。直木賞受賞作『小さいおうち』を強く推し、この数週間でぼくが読んだ一連の作品もぜんぶ薦めた。 映画の話では『ブルース・ブラザース』(The Blues Brothers - 1980)を薦め、ドイツ映画の『バンディッツ』(Bandits - 1997)を薦め、先週末に観たばかりの『幻影師アイゼンハイム』(The Illusionist - 2006)も薦めた。上の写真は映画サイト「all cinema」からお借りした『幻影師アイゼンハイム』のスティール。この映画の特徴をじつにうまくとらえた写真だ。 田中屋の後、久しぶりにザボンへ。 珊瑚さんがいた。彼女とも久しぶりだ。 映画の話や小説の話、さらに海外の都市の話など盛り上がったが八王子住まいの身としてはかつてのような長居はできない。 今夜は東京駅から中央線で帰ることにし、田島くんとは数寄屋橋で別れる。 地下鉄からホームに上がるとちょうど22時51分発の特別快速に乗れた。 ところが八王子に着いてみるとまさにバスの発車時刻寸前ではないか。 呼吸が苦しくなるため急げないのですぐにあきらめ、ゆっくりとバス停まで歩いた。 最終バスは0時10分。 それだけたしかめると再びゆっくり歩き、京王八王子の停留所を目指す。途中のコンビニで週刊朝日を買うのだ。 最初の店では売り切れで、つぎのampmにあった。 350円。 そう書いておくのは週刊誌価格を記録しておくためだ。 週刊朝日を読みたくなったのは、今週の同誌が小沢一郎元民主党幹事長の強制起訴は無効という特集を組んでいることによる。 帰ってぱらぱら読んでみると、特集の骨子は小沢氏は起訴に叶うような犯罪など犯していないではないか、強制起訴などという無茶なことをするものではなかろうよという内容。 この件については、ぼくもずうっとそう考えてきた。 いったいどんな事件だというのだ? 書類に書き間違えた事実はあったのだろうがそのどこが犯罪なのだ? たとえば一般の通勤者が道路でたばこを投げ捨てるのを何回も見ているが、誰も起訴なんかされないのと本質的には同じことではないのかい? と、ずうっと考えてきたのだ。 だから特集を読みたかった。 まだ読み切っていないけれど、冒頭の記事が「もういいかげんにしたらどうだ」と結ばれていたことには同感だった。 休みの前の晩らしく、充分に夜更かしをしてから寝る。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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