カテゴリ:飲み食い
ぼくの知る限り、いま東京でいちばんうまいと思っている店だ。 蓮くんと「近々、うなぎを喰おう」と約束をしてあったのだ。 この3年ほど、うなぎを喰うという話になったら店は高瀬と決まっている。 蓮くんを初めて連れて行ったのは去年、家族4人で食べたときだった。 たしかあの日、彼は用事で早めに出なくてはならず、しかも少し遅れてきたのだった。 そういう蓮くんが自分の分を食べ終わったとき、しごく感激したようすで箸を静かに置き、いったん頭を下げてから低い声で「おいしかったぁ!」といったのを覚えている。 きょう、いろいろな事情で高瀬に行くのは午後2時を回るとわかっていた。 で、あらかじめ2時半に予約をし、食べた後で仕事に行く蓮くんが先に着けるように出てもらって、ぼくは2時5分のバスに乗ったのだった。 車中で蓮くんからメイルが届き、席に付いたこと、注文品はこれこれであるということ、が書かれてあった。 わかった、その通りと返信。 安心し、バスを降りてからゆっくり歩いて店へ。 かみさんは早番の仕事を終えてからくることになっている。 したがって注文は3人前だ。 高瀬は注文後に焼き始めるからだろう、食べ始める前にかみさんが到着。酒を一杯呑むゆとりができた。 こういうときにぼくが呑めないのはまことに残念だが、COPDゆえに猪口一杯でも呑むと息が苦しくなるのだからしかたがない。 そうはいっても、じっさいには座って呑んでいる間はなんでもないのだ。 だから大丈夫と思って呑みつづけると、たとえばトイレに立ったときなどに息が上がっているっわけで、ほんの10数メートルを往復するだけで呼吸が苦しくなってしまう。 そういうことを何回もやってきたあげく、酒を呑まないことにしたのであった。 蓮くんは仕事に向かうから呑まない。 結局、酌み交わす相手がいなくて気の毒だが、かみさんがひとりで呑むしかない。 やがて注文したうなぎが供された。 ぼくは山椒をかけずに食べる。 相変わらずほっこりと柔らかく、焼き具合もころ合いで、うまい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.12.31 11:02:26
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